20260306
GO TO HELL.
朝日が昇って、コンビニに行く。コンデジを握りしめて。見慣れているし、これからも見続ける景色なのだろうけど、この中途半端な時期にも記録を残しておくのもありかと。最初と最後の記録が多くなりがちだけれど、点と点の間にもちゃんと時間は詰まっていたということを。
歯を磨いてバイトまで眠ろうとベッドに入る午前九時。『家族カレンダー』(アノニマ・スタジオ)をひらく。朝日が差し込むベッドの上でぐだぐだと他所の家族の日々を読むのはなんだか素敵ではあったが、私としては早く寝つきたいのだった。が、そんな願いは儚くも散る。バイブレーションと共に送られてきた一件のLINEのメッセージ。
「落ちたわー」
二浪していた友人からのメッセージ。昨日も友人たちと一緒に通話して、大学生になってからの話などをしていた。百%受かると思っていたというわけではないけれど、やはりいざそんな現実を目の前にすると、うぐぅ、となってしまう。本人としては、うぐぅ、ところではないだろう。人生の大きな岐路、本当行きたかった道、これから歩むことになった道。その二つの道はどんどん離れていって、数年のうちに見えないぐらいに遠くなってしまう。そうなった時に、こっちの道でよかったとまではいかなくても、こっちの道も案外悪くないな、ぐらいには思えたら。どんな過去も肯定できるはず。過去を塗り替えて、未来を塗り替えて。東京は楽しいぞ。
なんと返信すればいいか。こんな時、素敵な励ましを送れるMはおそらく今はまだ寝ている。Yも先陣切って送る感じでもない。Iは「励ます」という点においては論外に近い。そして私もほぼ論外。こういう時に、変なボケをしてしまう。愛ゆえに。LINEのサブプロフィール機能で自分のアイコンを友達のお母さんのアイコンに変えてメッセージを送ってしまう。愛ゆえに。そうして微妙な空気感で終わってしまったトークルーム。Mが起きるのを待つことしかできない。
おかげで眠らずにバイトに行かなければならない。そろそろ設定していたアラームが鳴る頃だ。全部夢だったらいいのにね。
ぼーっと電車は進む。全国で大学受験生が泣いたり笑ったり、そんなことひとつも気にせず今日も憂鬱を運ぶこの車両は定刻にあの駅に停車する。今日のシフトは大学生が多かった。いつもより気楽に話しながら、もう止められたエスカレーターを階段にして登る。お札のような形のPOPを棚に貼ったらカルト教団のアジトのような雰囲気になった。次、出勤した時にはもう剥がされているかもしれない。帰りに社員AにそのPOPを渡して帰る。正直、内容はつまらない。渡したらAがすぐにそれをまじまじと読み始めたから、逃げるように店を出た。うわぁ滑ってるやん絶対。やだわぁ。読むなよ。渡したのは自分だけど。
帰りの電車ではウトウトして、落ちた彼の心情は文面だけではわからない。彼の言葉だけ、どことなく腑抜けた字体に見える。ようこそ大学生へ。やっとお前もこの地獄に。