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おわり。


編集が終わって冷めない緊張と興奮が私の頭をガンガンする。リピート再生される完成品。一定のリズムで刻まれる高い粒度の音々がイヤホンから放たれる。それをノーバンで鼓膜の真ん中に捉える。少し痺れてベッドに入って朝日が見えてスマホを充電して。

夢の中で緊急地震速報が鳴った。たしかに夢の中での出来事だと思うのだが、現実世界でもそれは鳴っていたらしい。しかし私が聞いたのは夢の中の緊急地震速報である。

いつもよりバイトが始まる時間が早かった。何時に起きればいいのかよくわからなくなって、すくなくともこれ以上寝るのはまずい、となるまでベッドの上にいた。今日も雨が降っている。たしかに残っている。桜が咲いて雨が降って、しくしくと散ったり踏んづけられてぐちょぐちょになった花弁の残像。グレーのシャツには細かい水滴の跡がついていて、大きな交差点のところをクイっと曲がって駅に着く。

社員Aに映像を見せる。会議室、Aとふたり。流れ出すあの音。部屋で聞いた時より軽く響く。

「おもしろい」とニヤついて

「ちょっともう一回流してよ」とスマホを構える。

スペースキー。流れる。

「いいじゃないですか。」

すぐにモニターとプレイヤーを物置から引っ張り出してきて、売り場に設置する。なんだか互いに時間がなくて、これが最後なのだね、というふうな。フェアは明日から始まるけれど、私としてはもう今日で終わった。もう会うのはあと一回か二回か。休憩中、更衣室でふと冷静になって思い巡らした、会えなくなるのが嫌な人に出会えたことの、奇跡さと有り難さ。齢二十、ひとつの終わりに触れた雨の春。友人はひと足先に二十一になった。まだまだこれからの私たちにも多少のこれまでがある。帰りのバスの中、曇った窓から見えたあの薄汚いバス停でひとり立っていたのは誰だったろう。それがたとえば、やっぱりあの人は、

はじまった今年の四月。二度と来ない今年の四月。