20260308

睡拳II


眠らずに朝を迎える。コインランドリーに行って洗濯が終わった他人の毛布を取り出すとき、とんでもないことをしているんじゃないかとふと思う。だって誰かがこれでぬくぬく眠るのに、それを他人の私が触っている。犯している。でも、ルール上それは許されている。百円玉を十三枚飲み込んで回り出す大きな洗濯機。

その回転が止まるまでの間、コンデジを持って散歩する。朝日は眩しいがまだ寒い。大学の近くや家の近くを歩く。体育館から男たちの声が聞こえた午前七時半。一ヶ月すれば、またこの大学の学生としてここに通うのか。来年度こそは充実させるぞ〜!写真をPCに取り込んでインスタのストーリーにあげる。『透明少女』のLIVEバージョンのMC部分をBGMに設定して。変な人たちにいいねされた。ありがとう。そんな通知をぼんやり確認してベッドに入ってバイトまで寝る計画。寝れる時間は三時間。寝れない。外から社会が始まっている音がする。文句は言えない。もう朝九時なのだから。そういえば小学生時代に校外で活動する時とか、夜勤の人とかもいるから静かにしようみたいな雰囲気を先生たちがやけに出していた気がする。あれなんなのだろう。寝ている人を起こすのは悪、というイメージで児童を統率しようという魂胆?

という感じでほとんど一睡もせずに迎えた起きる時間。その時間になって一番眠くなる。今、寝れたら最高じゃん。気づいたら着替えて家を出ていた。少しよろけながら。眠くなればなるほど強くなる。いつもの電車には乗り遅れたけど。同僚の二十代後半の女性のスマホの待受がB'zの稲葉さんだった。意外。また別の女性の同僚と二人でレジに立っていた時、声を褒められた。声ですか。あまり意識したことがなかった。そんなこと言われたらちょっと意識して接客しちゃうじゃん。

お客さんや身近な人たちのカルチャー層について考えながら歩いて帰る。蓮見が言う「お笑いはべつに流行ってない。」はかなり核心をついてるし、この客観性は忘れてはいけないところだ。その上で、わかる人がわかればいいんだよ、というスタンスを取ってもいい。いいんだ。眠い。眠る。