一 浦靱負は、藩主毛利斉元公の諱（いみな）を賜って元正と称したが、その後元襄に改めた。
一 高祖の氏実公は小早川安芸守平宣平公の七男で、芸州浦郷に支封されて居城を築いた。そのために浦氏と称する。
一 七世、兵部丞浦宗勝公の時代にその忠勇英武が世に認められ、天下両兵部の一つと称された。「武辺物語」に両兵部とは毛利家の浦兵武丞と徳川家の井伊兵部丞とある。
一 戦功によって増封されて高二万八千石となり、筑前立花の名城に差し置かれた。小早川家より二万三千石、毛利家より五千石の加増であった。
一 浦宗勝公の子備後守浦景継公が、小早川隆景卿に随従して備後三原城にいた頃、慶長年間の宗藩の削封（関が原の戦いの敗北）のために芸備（芸州・備後）の領地を離れた際に、勲旧によって、大島郡の内七島を賜い、後に替地を願って四箇所の邑二千七百石の地を給った。