廿四日 天気
一 今暁灯にて出宅尾国迄参り戸津より迎え船参り乗船致し候、着き直様山へ上り蒲井峠迄参りうたへ居り候大鹿壱疋出うたへ懸り掛け候拠、うた脇に庄や畔頭等居候故、夫へ当り候哉も暮候を廿間余にて二而打ち候、其の鹿賀蔵うたへ懸り手負け候て御立山へかまり候、勢子追切候て手負鹿巻き候て犬勢子入り候拠、蒲井の家村へ追出し取り候て、見候得ば初矢身柄、右の跡足へ打込み侯跡之有り候、外に小男鹿女鹿壱疋ずつ出候得共うたへ懸らず候、尤も女鹿は賀蔵手負鹿追って参り候、雨寺へ通り中飯認め夫より大浦田渡へ詰め候て追せ候処女鹿二疋物官左衛門うたへ懸り打外し候、鹿二疋出壱疋は枯木平へ越し壱疋はうた揚候て出候故、空向山の方へ通し候、夫より寄松へ詰め候て追せ候処、先の二疋連の女鹿宇左衛門うたへ懸り打外し候、日入時分下山宿は報土寺に付き、寺へ帰り風呂へ人り夜食給り候て休み候、今日人数岡崎歳左衛門・山木官左衛門・同千代之進・芥川重右衛門・芥川市郎左衛門・岡崎賀蔵・芥川字左衛門・赤祢兎毛・移田十郎右衛門・芥川泳馬・嶋末祐左衛門・福田新五郎・福田藤兵衛・文右衛門・印五郎、・川手壮乏進・勢子百人計り出候、刀持に末永利吉道具持ち豊松参り候