族戚故赤禰武人報効事歴に就ては曩に史談會に於て審査編録の上第二十七期帝國義曾に向ひ武人生前の功歴を表彰追録あられんことを請願せられたりしに貴族衆議兩院に於て採擇決議を得、其書類は政府に轉送に及ひ今や其向に於て審査中の事と豫想せり、然るに爾後尚捜査を怠らざりしに武人に關する史料にして或は舊故所親より寄贈に預るものあり、一層武人の事歴を明確にするもの少からす、追て世に公にするの期あるべし、本篇に掲載する建議書及ひ遭難事實は請願書中単に綱要を叙へて其詳密を缼くものなり、依て茲に二史料を載録して其缼如を補ふと云爾
明治四十五年二月 赤禰 篤太郎述