史談速記録第貮百貮拾七輯(抜粋)
山田武八郎速記
明治四十四年十二月九日午後三時一同着席大原伯爵(重朝)臨席
一大原會長(重朝)歳募納會の挨拶附史談會國庫補助請願の件は未た可否を判し得さるとの事○本會は史料編纂局と並立し官民各々其業務を分ち會は公平に史料を蒐輯すべしとの事○文部大臣え提出の請願書に封して確報を得るに至らす追て報牃に及ふべしとの事
大原伯爵 (重朝)此會のことに就きまして總ての評議員には當年も相變らず御盡力を下さいまして喜ばしく考へます、前年來の史談会國庫補助といふことに就きましては先日申上げた通り、今後請願は出してございますけれども、御承知の通りの有様で根つから見込が立ちませぬ、依て尚ほ其後御評議の如く、維新史料編纂局は朝にあつて充分お調べなさるべき事、叉野にあつて史談會は充分公平なる處を蒐集して後世の史料とすることに、自然の結果としてなることであらうと考へますやうな次第である。尚ほ今後とても相變らず御心配を願ひたいと存します。尚ほ前回文部大臣に書面を出して置きました補助の一件は其後御返事を聞きに参りますけれども未だに曾ひ得ませぬので分り兼ねまする次第であります。尚ほ分り次第に幹事より申上げることに致します。當年も今日で會務も納めますることで諸君に對して一言申上げます。 (一同座禮)