文政八年(一八二五)年[i]
一 御参府年
当年より日記相初め、日事、且つ世上諸事承り候分記し置き候、此の節は仕組に付、椿山荘住居にて候事
正月 元旦 天気
玉改の年の始めに筆とりて万(よろず)の變(変)容そまむる
一 六ッ半時登城致し記六(録)所当番久芳安積へ相対致す、尚川手番頭馬屋原猪兵衛へも相対致し、若殿様へ御祝詞申し上げ候事
一 四ッ時分御奥御対面之間において並び奉り候順々御目見え仰せ付けられ、御流れ頂戴仕り候事
一 御表 御目見え相澄(済)み、川手番頭馬屋原猪兵衛を以て黒書院において若殿様 御意仰せ聞かされ候、一途相澄(済)み八ッ半時分下がり 御霊社洞春寺参詣致し帰り道少々廻礼致し、七ッ時分帰宅致し候事
一 吉例の通り儀式之有り候事
[i] 文政八年 浦靱負三十歳、「浦日記」を開始した年。