本論文は、明治維新史に関する「先行研究の研究」をテーマとしている。先行研究の研究史の流れを概観し、検証するために明治維新史に関する四本の論稿を参考にした。これらの論稿は、比較的まとまった形で、それぞれが記述された歴史的段階における明治維新史研究の到達点をふまえて、「維新史論」が展開されている。これらの著作の他にも多くのすぐれた著作はあるが、本論が対象とするテーマへの一定の力の配分とその書かれた時代性に着目して、本論の論立てにあたって、その論拠とするための基本的参考文献として選定した。
論述内容の引用については、原文の文意を損わない範囲で、現代語に近づけて表現し直した。
次に、「参考文献」を発刊された年代順に提示する。
資料一 維新史料編纂事務局編『概観維新史』(文
部省)一九四〇(昭和十五)年
資料二 尾佐竹猛著『明治維新』(白揚社)一九四
二(昭和十七)年
資料三 小林茂著『長州藩明治維新史研究』(未来
社)一九六八(昭和四十三)年
資料四 田中彰著 『長州藩と明治維新』(吉川弘文
館)一九九八(平成十)年