研究テーマ

1.複数人から複数方向の説得を受ける時の受け手の態度変容プロセスの解明

現実場面には,選挙に複数の候補者が存在することや,複数の企業が同じ製品を売り込むなど,ある事柄に関して複数人がそれぞれ異なる方向へ説得することがあります。このような場面において,説得の受け手が「誰(どの)の説得を受容するのか」「どのように説得的メッセージを受容するのか」などの態度変容プロセスについて,実験室実験で明らかにすることを目指しています。

2.飲食行動と集団内のコミュニケーションの関係

近年ビジネスの現場では,ランチミーティングの増加や置き菓子サービスを設置する企業の増加からわかるように,飲食行動によってコミュニケーションの促進を図ろうとする試みが増加しています。特に,コミュニケーションが中心となる場面で,お菓子などのつまめるものがあることによって生じる変化に注目した実験的研究を行っています。中村・三浦(2014)では,集団での話し合い場面において,飲食行動は (1)笑顔の表出を増やし,ポジティブ感情の伝達を促進し,(2)集団の中であまり発言のできない人にとって発言を促進させ,(3)話し合いのプロセス対して肯定的に認知させることを明らかにしました。