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投稿日: Apr 27, 2015 10:4:21 AM

Masicampo, E. J. & Baumeister, R. F. (2008).

Toward a Physiology of Dual-Process Reasoning and Judgment. Lemonade, Willpower, and Expensive Rule-Based Analysis

Psychological Science, 19, 255–260.

ヘッドライン:システム2の意思決定には甘いレモネードが必要。

【要約】 本実験は糖分の摂取が,直観的な,ヒューリスティックに基づいた意思決定への依存を減らすことができるという仮説を検証するために魅力効果を用いた。魅力効果とは,2つの選択肢から選ぶことが難しい時,一見無関係な「おとり」オプションの存在によって選択が変わるということである。本実験は,この魅力効果を再現し,さらにこの効果は,事前の自己制御課題による心的資源が減少した時に増加することを示した。本実験の仮説は,努力の必要な処理には比較的多くのグルコース(脳の燃料)が必要だという仮定とグルコースの使用がなぜ人が自己制御をした後にヒューリスティック戦略を用いるのかという仮定に基づいた。参加者は,課題を行う前に,砂糖で味付けされた甘いレモネード,もしくは砂糖の代わりとなるもの(スプレンダ)を含んだレモネードを飲んだ。その結果,砂糖が含まれたレモネードを飲んだ参加者のみ,魅力効果が低減した。これらの結果は体(血糖)と心(自己制御とヒューリスティックへの依存)が相互作用することを示す。