人文論究64巻2号に掲載されました

投稿日: Oct 09, 2014 7:7:4 AM

以下の論文が人文論究に掲載されました。

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中村早希・三浦麻子 (2014). 飲食行動が話し合いにおけるコミュニケーション行動・主観的評価に及ぼす影響 -菓子を食べると話し合いはうまくいくのか?- 人文論究,62(2),59-77.

【要約】 本研究は,話し合い(知り合い3人集団)において,飲食行動が話し合い中のコミュニケーション行動と話し合いに対する主観的評価に及ぼす影響について検討する。実験参加者を菓子と飲み物を提供した群(飲食あり群)と何も提供しなかった群(統制群)に分け,同一の議題(大学祭に関する2つの問題)について話し合いを行わせた。話し合い終了後,話し合いに対する主観的評価として話し合いプロセスに対する認知を測定した。また,話し合い中の映像から参加者のコミュニケーション行動をコーディングした。その結果,飲食行動が伴う話し合いでは,笑顔の表出が増えることが明らかになったが,発言量の均等化は生じなかった。また,飲食行動の存在と発言時間の長さが話し合いプロセスに対する認知を肯定的にさせる効果を持っていた。これより,飲食行動は話し合いにおいて,(1)笑顔の表出を増やし,ポジティブ感情の伝達を促進する機能,(2)集団の中であまり発言のできない人にとって,発言を促進させる機能,(3)話し合いのプロセス対して肯定的な認知をもたらす機能があることが示唆された。

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この論文は,第一著者の卒業論文をもとに再分析したものです。卒業論文の作成にあたり,神戸女学院大学・人間科学部 小林知博先生のご指導を賜りました。深く感謝申し上げます。

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