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投稿日: Feb 24, 2016 8:38:5 AM

Travers, E., Rolison, J. J., Feeney, A. (2016).

The time course of conflict on the Cognitive Reflection Test.

Cognition, 150, 109–118. doi:10.1016/j.cognition.2016.01.015

ヘッドライン:認知的熟慮性テスト(CRT)において,正解した人でも,最初は直感的な選択肢に引きつけられる。

【要約】 熟慮的な推論には,しばしば直感的な反応を抑制することが必要となる。認知的熟慮性テスト(Cognitive Reflection Test; CRT)は,熟慮が行われる場合に間違ったヒューリスティック反応を抑制するような能力を測定できるように設計されている。CRTで正解することは,直感的な反応が間違いを引き起す課題のパフォーマンスを予測し,このような点でCRTは非直接的に認知的制御と関連する。しかし,CRTのパフォーマンスの根底にある認知的プロセスについてはあまり知られていない。本研究ではCRTの推論中の時間的経過とらえるために,新しいマウストラッキング方法を採用した。マウスのカーソルの軌跡の分析は,たとえ最終的に正しい(熟慮的)選択肢を選んだとしても,参加者は初期の段階では間違えた(直感的)選択肢の方へ引っ張られていることを明らかにした。反対に,最終的に直感的(間違った)な選択肢を選んだ時には,正しい選択肢の方へ引きつけられなかった。本研究は,直感的なプロセスはCRTにおいて自動的に活性され,正しく反応するのに必要なものと結論づけた。参加者が直感的に反応する時,熟慮的推論が関与するという証拠は得られなかった。