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投稿日: Dec 07, 2015 8:20:25 AM

Larsen, J. T., & McGraw, A. P. (2011).

Further Evidence for Mixed Emotions.

Journal of Personality and Social Psychology, 100(6), 1095–1110. DOI: 10.1037/a0021846

ヘッドライン:めったに経験しないけど、幸せと悲しみは同時に感じることができる

【要約】 情動理論は、情動価(「喜ばしい」から「喜ばしくない」までの状態の範囲)が、ポジティブかネガティブなことが経験的に分離できるかどうかについて、長年議論がされてきた。もしポジティブ感情とネガティブ感情が分離できないのであれば、人は同時に喜びと悲しみを感じることができないことになる。反対に、ポジティブ感情とネガティブ感情が分離できるのであれば、人は幸せと悲しみが入り混じった情動を経験することができる。本研究はビタースイートな状況において、幸せと悲しみが同時に生起するという先行研究の知見に対して、別の説明の可能性について検証した。1つの可能性は、幸せと悲しみが入りまじった感情を報告した参加者が、単に幸せと悲しみの間で揺れ動いていたということである。研究1から3で、幸せと悲しみを継時的に参加者に尋ねて測定することで、この仮説を検証した。参加者は統制条件のビデオクリップよりもビタースイートクリップを視聴しているときの方が同時に幸せと悲しみが混在した感情を報告した。もう一つの可能性は、参加者が顕在的に幸せと悲しみを感じているかどうかと聞かれたので、これらが入りまじった感情を報告するということである。この可能性について、研究4~6で情動を自由回答で報告させ、検証をおこなった。研究4~6でも、ビタースイートビデオクリップの方が統制条件のビデオクリップよりも幸せと悲しみが入りまじった感情を報告する傾向にあった。両方のパターンが、入り混じったか感情が生じるという仮説を予測しなかった時(研究2と5)でも、同時に幸せと悲しみを感じたと信じていない参加者(研究3と6)でも生じていた。これらの結果は、ポジティブとネガティブが経験的に分離できるものだという証拠を提供する。