投稿日: Aug 21, 2015 4:30:3 AM
Evans, J. St. B. T. (2008). Dual-processing accounts of reasoning, judgement, and social cognition.
Annual Review of Psychology, 59, 255–278.
【要約】 本稿は,認知心理学と社会心理学の大きく食い違う研究において,高度認知処理の二重過程へのさまざまな提案をレビューする。これらの理論の多くは,一般的に速くて自動的な無意識的な認知プロセスと遅くて熟慮的で意識的な認知プロセスを区別している。多くの研究者は,二重過程の説明に基づいて,2つの構造的に(進化的に)区別できる認知システムがあることを主張している。しかしながら,(a) 理論ごとに説明される潜在的な多様な処理過程が異なり,(b) 2種類の過程の提案された属性のすべてが現在考えられている2つのシステムに沿って分かりやすく描かれていない,という問題がある。いくつかの2重過程理論は顕在的なシステムと潜在的なシステムが並行して競合するシステムに関心を持つ一方で,熟考的な推論と意思決定を文脈に当てはめ,形作られた前意識的処理の影響に関心を置いている。