Post date: Jan 31, 2012 11:50:04 PM
Appleから電子教科書作成ソフトのiBook Auther が無料公開された。すばらしいソフトのようです。が残念、Mac専用。しかもライセンスがガチガチです。
まあ、扱う電子教科書が ipad のibooksで読むことを前提としているので、これはこれで良いのかなと思います。
でもせっかく電子書籍を作るのですから、自由に配布出来て、いろんなマシンで見れるようにしたい。
オープンソースソフトで作ってみることにしましょう。
電子書籍のフォーマットでもっとも一般的なEPUB形式のデータを作成するソフトの紹介です。
Sigil http://code.google.com/p/sigil/downloads/list
上記からOSにあったものをダウンロードして使います。
【EPUB形式とは】
いい加減に説明してしまえば、HPを作るのと同じ要領で、文書、画像を配置して行きます。本来はXHTMLで記述するのですが、Sigilではワープロ感覚で作成できます。
そのようにして規格に則って作った複数のデータ・フォルダをまとめて、ZIP圧縮したものがEPUB形式です。
これを読むにはEpub形式に対応したソフトウェアを使います。
たとえば、ipad では iBooksというソフトで読みます。また、PCではFirefoxにEpubの拡張機能を追加して読むことも出来ます。もちろんAndroidにも沢山リーダーがあります。
【マルチメディア対応?Epub形式?】
Epub形式は実は文字と画像を基本として扱います。正式な規格では動画や音声を扱うことは出来ません。ところがApple社は先を見越して、ibooksにマルチメディアデータが扱える機能を追加実装しました。
前にも書いたように大雑把に言えば、Epub形式はホームページの作り方をベースにしておりHTML言語の一種で記述されてるといえます。これに拡張を加え、これから主流になって行くであろうHTML5の持つ機能の一部を取り込み、ビデオや音声を扱えるようにしたのが ipadのibooksアプリなのです。
【Sigilを使ったibooks対応Epubデータの作り方】
基本的にはSigilで動画や音声の入ったiOS用Epubデータは作れません。ですが、ちょっとした追加作業でそれが可能になります。
1)ibooksのマルチメディア対応EpubではHTML5の<video>、<audio>タグが使える。
2)Epub形式はXHTMLファイルなどのデータを集め、ZIP圧縮して作ってある。ただし拡張子はzipからepubに書き換えられている。
上の2点を理解し、作業に入る。
1)Sigilで動画、音声等のデータの無いepub形式のデータを作成し保存する。 (例)test.epub
2)データの名前を変更して本来のデータ形式の拡張子zipに戻す。 (例)test.zip
3)zipファイルを解凍する。
解凍したフォルダを開くと次のようなフォルダ構造になっている。
「解凍したフォルダ」←(いくらかのデータが入っている)
└ META-INF
└ OEBPS ←(いくらかのデータが入っている)
└ Images
└ Text ←(xhtmlデータが入っている。)
4)たとえば、OEBPSフォルダの中にvideoフォルダをつくり、ipadで再生できる形式(mp4形式等)の動画データを入れておく。(例)samplevideo.m4v
5)つぎにText フォルダ内の必要なxhtmlファイルをテキストエディタで開き、動画を挿入した居場所に次のタグを入れる。
<video src="../video/samplevideo.m4v" controls="true" autoplay="false" ></video>
6)xhtml ファイルを保存した後、解凍したフォルダ内のすべてのファイルとフォルダをZip圧縮する。
7)適当な名前に変更するが、 testsample.epub などというように拡張子を変更しなくてはいけない。
あとはitunesを起動し、ライブラリのブックへデータをドラッグアンドドロップし、ipadと同期する。
完了すればipd上のibooksで読めるようになる。
【注意事項】
本来のEpub形式はVideo等が扱えない規格であるので、データ中に<video>タグなどは存在しない。そのためせっかく上のようにして作ったデータではあるが、再度Sigilで読み込むと、エラーデータとしてVideoタグは消去・修正される。
作業が無駄になるのでVideoデータは完成間際の最後に入れて、それ以後はSigilで編集してはいけない。