爪ヶ城(つめがじょう)     城跡を巡る道

岡山県  爪ヶ城(広戸仙1,115m、城跡・三角点1,075m)、矢櫃城跡910m、甲山(兜神社跡)777m

 2016年11月5日

(爪ヶ城)中国百名山

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三日目は市街は深い霧で、50mくらいしか見えない。でも、山に向かって標高が上がっていくと、突然、視界が開け、正面に爪ヶ城(*1)が現われる。市街は霧の中だが、上は快晴の青空。爽快。

声ヶ乢の駐車場にはボックス車が一台。最初は尾根中腹の広い道で、キャタピラで均された道を歩き、やがて尾根に上がり、やや急な登りで二つの展望所を通過。青空だが霧で視界は良くない。

1,050m峰に着き、その東側の展望所から谷向かいに爪ヶ城の広戸仙と三角点峰が見えた。三角点峰には展望台があり、昔、ここに城があった(*1)という説明掲示があった。

広戸仙には縦走路上に頂上標識があったが、少し離れた最高点の岩の上にも頂上標識が立ててあった。

爪ヶ城から南東にどんどん下り、途中で矢櫃城跡峰(*1)に登り返していくとき、背後に爪ヶ城を見る。滝山はずっと雲の中。写真を撮っていると男性が一人、登って行った。

甲山は更に下った先。頂上標識はなかったが、二級基準点があった。そこから少し下ると祠と説明標識があり、ここには兜神社(*2)があったが、麓に移されたたらしい。

林道に下り、舗装路を歩いて声ヶ乢に戻ると、峠の手前に峠の茶屋と駐車場があった。朝は気づかなかったが、その駐車場に数台、峠は満車になっていた。青空に歩きやすい道。歴史を感ずる城跡や神社跡を巡る山旅だった。

 爪ヶ城跡: 三角点峰と第三展望所
 矢櫃城跡: 爪ヶ城と甲山の間
 爪ヶ城跡から見る矢櫃城跡峰と甲山(奥)
 1,050m峰の展望所から見る爪ヶ城。左ピークが広戸仙、右端が三角点峰
  7:31 声ヶ乢駐車場発  9:22 爪ヶ城・三角点  9:36 爪ヶ城・広戸仙・・・・・・・・・・・・・・・・登り2時間5分  9;51 爪ヶ城・三角点10:18 矢櫃城跡10:41 甲山11:52 声ヶ乢駐車場・・・・・・・・・・・・・・・・・・周回4時間21分

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この日は濃い霧。車の視界も100m程度。しかし、声ヶ乢に向かって登っていくと、突然青空となり、霧を抜ける。正面に現れたのがまさに爪ヶ城(*1)だった。市街は霧の中だが、上は快晴の青空。爽快。声ヶ乢の駐車場にはボックスカーが一台。隅に停める。爪ヶ城は峠の東だが、西に山形仙というのがある。GPSを見るとそれほどでもない。登山口に登山道案内があり、そこの広戸仙をその山形仙と勘違いしていた。駐車場の隅の草叢に小さな赤いイチゴ。黄色い小さな花も咲いていて、ヘビイチゴには似てないように見えるが、やはりヘビイチゴなのだろう。

駐車場の案内には、爪ヶ城の頂上が広戸仙1,114.5mとあり、三角点は爪ヶ城・城跡とある。滝山への縦走路と矢櫃城跡・兜山神社への道が記されていて、兜山神社というのが甲山だった。登山口の大きな案内図には那岐山までの縦走路が示されていて、ここには兜山神社でなく、甲山と記されている。声ヶ乢から滝山まで6㎞、那岐山まで3.1㎞、合計9.1㎞だから時速2㎞で往復10時間で歩ける距離ではある。12時間くらいなら少し楽かな。ボックスの中には那岐山までの縦走路と広戸仙までのルート図コピーがあり、ご自由にとあったので一枚づつもらう。もと林道のような道は尾根の南斜面を緩くつづら折りに登り、キャタピラーで均した跡がだいぶ上までついていた。

第一展望所には立派な東屋が立っていたが、まるで展望なし。第二展望所は視界が開けていたが、周囲はガスで山形仙しか見えず。トイレは壊れて便器が見えていた。高度があがり、行く手に爪ヶ城と広戸仙が見えてくる。手前の1,050m峰の北東側から北に分岐があり、そこから谷向こうの広戸仙と爪ヶ城を望むことができる。雄大なる入道。谷に下り、登り返すと三角点と展望台。三角点峰には展望台があり、昔、ここに城があった(*1)という説明掲示があった。東の滝山の雲をかぶった姿。眼下は雲に隠れている。せっかく開けているのに、ガスでほとんど見えない。西を見ると、1050m峰からこちらへ誰かが向かっているのが見えた。

三角点から少し下り、登り返すと岩峰の左側を通って広戸仙の頂上に着く。そこから東に滝山への縦走路。広戸仙には縦走路上に頂上標識があったが、少し離れた最高点の岩の上にも頂上標識が立ててあった。その最高地点の岩の上に登っている間に、後から来た男性がすごい勢いで縦走路を滝山のほうへ下っていった。さっきの人がやってくる気配がしたので、ウォークマンと止めようとしたが、止まらない。操作がわからなくてうかうかしているうちにその人は縦走路の方に行ってしまった。

この日は爪ヶ城と滝山の予定だったので、このまま滝山に向かおうかと思ったが、GPSで距離をみると、やはり個別に登ったほうが楽そうだ。そこで甲山に向かって下る。最初は古道のようなくぼんだ道。急坂のつづら折りをだいぶ下り、平坦になり、登り返したピークが甲山かとおもったら、矢櫃城跡とある。矢櫃城跡の少し手前で、樹間だが、背後に爪ヶ城が見え、展望所をズームで映していると、男性が一人やってきて、登っていった。いつの間にかほとんど滝山が見えている。矢櫃城跡(*1)には甲山の標識はなく、更に下り、また登り返すと二級基準点があった。GPSによるとここが甲山。甲山から下っていくと、兜神社跡(*2)の案内と中身のない祠があった。神社そのものは麓に移されたようだ。植林のつづら折りを下る途中、いいかげん疲れ、休憩する。この日はバナナを忘れていた。ペットを飲む。舗装林道に出て、残り2kmほどを歩く。途中にいくつか大きな東屋があったが、どれも立入禁止になっていた。基礎が弱いのだろう。

舗装林道に出て、残り2kmほどを歩く。途中にいくつか大きな東屋があったが、どれも立入禁止になっていた。基礎が弱いのだろう。峠の茶屋というのは声ヶ乢の少し手前にある小屋で、駐車場には車が数台。声ヶ乢は満車になっていたから、ずいぶん登っている人がいることになる。店は閉まっていたが、午後に開けるのかもしれない。

エピローグ: この後、滝山登山口に向かうが、近いのに南に大回りしていくのは自衛隊演習場があるからで、ようやく北に向かっていくと、なんとゲートが閉まり、演習場内立入禁止になっていた。こいつは困った。そうと知っていれば、広戸仙から滝山に行くんだった。代わりに角ヶ仙に向かう。

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(*1)爪ヶ城と矢櫃城跡: 矢櫃城910mと峰続きの広戸仙1076m地点(三角点峰)に砦石があり、詰ヶ城(後に爪ヶ城)と呼ばれ、最後の拠点とされていた。矢櫃城は広戸氏の居城だったが1533年に激戦の末、敗れた。弓矢を入れていた洞穴があり、それが名前の由来。

(*2)兜神社跡: 甲山頂上に兜神社が祀られていたが、明治の末に麓の広戸神社境内に移された、とある

市街の深い霧を抜けると、正面に現われたのは爪ヶ城だった

声ヶ乢駐車場の隅の赤い小さなイチゴと黄色い小さな花・・・・・たぶんヘビイチゴ

草黄葉の登山口・・・・・ボックスの中には爪ヶ城と縦走路の案内図

「ご自由に」とあるので一枚づつもらう

山形仙・・・・・爪ヶ城の西にある791m峰。声ヶ乢に登山口があったが、登らず。頂上に電波塔が立っている

大釈山と津川ダム?・・・・・1,050m峰の展望所から北の情景。

この方角には角ヶ仙などがあるはずだが、霞んでいて見えていない

ウツボグサの実

雲をかぶった滝山

三角点峰頂上・・・・・爪ヶ城跡の説明標示と第三展望所

矢櫃城910mと峰続きの広戸仙1076m地点(三角点峰)に砦石があり、詰ヶ城(後に爪ヶ城)と呼ばれ、最後の拠点とされていた。

広戸仙頂上・・・・・岩場の最高地点と頂上標識

この近くの縦走路にも頂上標識あり

矢櫃城跡峰と甲山(奥)・・・・・三角点峰より

樹間の爪ヶ城・・・・・矢櫃城跡付近より

矢櫃城跡・・・・・矢櫃城は広戸氏の居城だったが1533年に激戦の末、敗れた。弓矢を入れていた洞穴があり、それが名前の由来。

爪ヶ城(奥)と矢櫃城跡峰・・・・・甲山付近より

甲山頂上・・・・・二級基準点がある

黄葉(イチョウ?)・・・・・甲山からの林道の途中。

峠の茶屋と駐車場・・・・・朝は気付かなかった。声ヶ乢の少し手前にある

那岐池・・・・・滝山への登山口手前の自衛隊演習場ゲートのところにある

この日はゲートが閉まっていて、滝山へは行けず