摩当山     ヤブ尾根の最高点と反射板と三角点

秋田県  最高点445m  2014年7月13日

    反射板峰435m  2014年7月21日

    三角点444m  2016年5月15日

旧秋田県の山・脚注

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摩当山は大館市の南にあり、現在(2016年5月)高速・秋田道のトンネルを建設中。この山には3度登った。

(1)2014年7月14日

雨予報の日曜の前日、近場の山ということで、摩当山に向かう。軽い気持ちで向かったが、予想外に手強いヤブ山だった。最初の林道は長いダートを30分走り、そこからヤブの林道を歩く。林道脇に登山口がないか期待したが見つからず、頃合いで斜面に取付く。

辿りついた稜線から一つ南の稜線に登り直すが、あるはずの一等三角点は見つからず、GPS*で位置確認し、摩当山頂上を認定し、下山。ヤブの下山も不安だったが、沢筋で赤テープを見つけ、その沢と林道の出合が登山ルートらしいと分かる。ハードな5時間半のツアーだった。

*古いタイプのGPS(legend)で、三角点等の詳細の位置確認は不可だった

(2)2014年7月21日

最初に摩当に登った後、プログで一等三角点を見つけた記録を読み、翌週、再度、摩当に向かう。下山したルートの右(南)の尾根を登る。

しかし、その稜線にも一等三角点は無かった。P4から北に向かい、電波反射板を見つけたが、一等三角点は見つからず。ここの笹ヤブは手強い。電波反射板を見つけたことで、摩当登頂を認定する。

(3)2016年5月15日

最寄りの道の駅に泊まり、道路事情のよい北西側からアプローチし、3度目のチャレンジで摩当山・一等三角点に到達した。

2回目と同じルートで沢筋から支尾根を登り、稜線を少し右に行ったところであっけなく一等三角点を見つける。

このときは新型GPS(eTrex)を持っており、一等三角点の位置はいつでも確認できた。

2回目は稜線を左に行ったために見つけられなかったようだ。1回目は更に北にある最高地点のあたりを探っていたので見つけられなかったのだが、GPS(eTrex)を持っていれば容易に到達できていただろう。

帰りは稜線を西に下り、笹と最後の急斜面に少してこずり、林道広場に帰着。GPSの威力をまざまざと再認識するツアーとなった。

・・・・・しかし、最初から新型GPSで登っていれば、反射板に到達することはなく、最高点を認識することもなく、反射板からの摩当山を見ることもなかっただろう。悩みながら何度もトライするというのも、楽しいものだ。

 反射板から見る摩当山・最高峰は濃い緑の秋田杉に覆われていた(2014年7月21日)
 笹ヤブの中に忽然と現われた反射板
 反射板から見る摩当山・三角点峰も濃い緑の秋田杉に覆われていた(2014年7月21日)
クルマユリ
キイチゴ
一等三角点
長寿の湯
早朝の摩当山・・・・・北西側(鷹ノ巣付近)より
(1)2014年7月13日  8:30 割沢林道入口発  9:15 林道広場  9:45 西尾根取付き11:45 摩当山・最高点(P2)・・・・・・・・・・・・登り3時間15分11:52 摩当山・最高点発13:03 林道広場13:59 割沢林道入口・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・周回5時間29分
(2)2014年7月21日  8:37 割沢林道入口発  9:22 林道広場  9:38 沢筋から尾根取付き11:11 摩当山・反射板峰(反射板1)・・・・・・・登り2時間34分11:35 反射板214:10 反射板2発14:55 林道広場15:38 割沢林道入口・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復7時間1分
(3)2016年5月15日  6:00 割沢林道入口発  6:48 林道広場  7:28 摩当山・三角点・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り1時間28分  7:38 摩当山・三角点発  8:14 林道広場  8:52 割沢林道入口・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復2時間52分
(1)2014年7月13日  8:30 割沢林道入口発  9:15 林道広場  9:45 西尾根取付き11:45 摩当山・最高点(P2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り3時間15分11:52 摩当山・最高点発13:03 林道広場13:59 割沢林道入口・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・周回5時間29分
(2)2014年7月21日  8:37 割沢林道入口発  9:22 林道広場  9:38 沢筋から尾根取付き11:11 摩当山・反射板峰(反射板1)・・・・・・・・・・・・・・・登り2時間34分11:35 反射板214:10 反射板2発14:55 林道広場15:38 割沢林道入口・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復7時間1分
(3)2016年5月15日  6:00 割沢林道入口発  6:48 林道広場  7:28 摩当山・三角点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り1時間28分  7:38 摩当山・三角点発  8:14 林道広場  8:52 割沢林道入口・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復2時間52分

MMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMM

(1)2014年7月13日

土曜日雨の翌日、北東北のみ雨ではないため、秋田の摩当山に向かう。林道はやや荒れていて、入ったところに刈払いと思われる人たちがいた。奥に進むと田んぼがあり、更に進むと沢筋に下り、そこに更に広い田んぼがあり、人が作業していた。十字路を右折して林に入る。マップにある割沢林道は車で入れない状態なので、分岐の広場に駐車し、準備をして出発。レインパンツの他は軽装。靴はAKU。最初に出会った沢では橋が流されていて、沢床に下って対岸をよじ登る。マップによれば、登山ルートはこの沢ではない。ヤブ化した林道の次の沢の出合には広場があったが、期待していた登山口表示はなし(赤テープがあったのだが、見落とした)。更に林道を進む。遂に林道が崩壊している地点に至る。林道終点だろうか。しかしテープが落ちているのを見つけ、崩壊部分の先に林道は続いていた。しかし、この林道はどこまで続いているんだろう。もう摩当山を過ぎてしまっているかもしれない。また崩壊地点に至り、今度は林道終点のようだ。引き返して登りやすいところから尾根に登ることにする。少し戻ったところで尾根取付。レイングローブで枝を掴み、ヤブを払って登っていく。沢登りのツメの感じ。コンパスを出して方角を確認。東に向かう。

稜線に達するが、何もなし。頂上の北側にいると思われるので、南に向かう。明確な写真はないが、樹間から南に、こちらよりも高そうな尾根が見えていた。コルまで下って登り返すと、古い踏跡があり、ノコギリで切った跡もある。たぶん植林のためのものだろう。登り返したP2には、三角点がありそうな雰囲気があったが、探しても見つからず。GPSで位置を確認すると、概ね摩当山の頂上あたりのようだ。更にP2の周囲を探しまわるが三角点は見つからず。GPSでの位置確認をもって摩当の頂上到達とみなすことにし、下山にかかる。

往路を戻るのではなく、北西に向かって斜面を下る。斜面の西に沢が現われ、それを避けて斜面をトラバースしていくが、沢の上の枝に赤テープを発見。沢筋を下ると、赤テープが続いている。これでなんとか下山できそうだ。やがて左岸に踏跡が現われ、それは古い作業道だった。一安心し、スティックを出すのにザックを下ろしたついでに休憩をとる。作業道は次第に広く、はっきりしてきて、分岐に出る。そこが林道かと思ったが、違っていた。しかし、すぐ先で林道に出る。作業道の入口にも赤リボンがあった。ここが登山ルートの入口だったようだ。GPSで位置を確認。P2よりも西にあるのはいいが、P2の位置がややおかしいようだ。往路を戻る。

車に戻って着替えている間に雨が降り出した。登っているときでなくて良かった。出発する前に少し仮眠したかもしれない。長寿の湯に寄っていく。

(2)2014年7月21日

摩当山をネットで調べると、2004年にヤブ尾根を登って一等三角点に達したブログがあった。反射板が建っているとある。もうひとつの2013年のプログは開けず、内容不明。もう10年前の記録だが、一等三角点はあるのだから、もう一度トライしてみよう。今回は、青空の広がる良い天気。ヤブ山に登るにはもったいない感じ。雨上がりの八甲田はまだ雲を引いているが、快晴になりそうだ。岩木山も大鰐も森吉も青空に映えている。ネットで購入したイクシー3シルバーをもってきていたが、タフに持ち替えてヤブ林道に入る。今回はヘルメットにハーネスに携帯ロープ、靴はAPPEX。二重ちょうちょ結びにすると、足首は全く痛くなかった。

今回は、先週の下山時に見つけた二つ目の沢の赤テープのところから作業道をたどる。赤テープは作業道左の沢に付けられていたが、ブログには右斜面を登ったとあった。そこで作業道の終点に至り、左の沢ではなく、右手の斜面に取付く。そこからは赤テープはなかった。枝を掴まなければ登れないような急斜面だが、植林地なのでヤブは比較的浅い。コンパスで方角を確認。南東方向に向かっている。

稜線に到達し、ピークに向かって登る。踏跡はないが、ノコギリで切った跡がある。P4に到達し、三角点を探すが、ない。尾根の東は下りになっており、先は見えない。わずかに北に視界があり、別の尾根が見える。そこで北に向かうことにする。コルからは東の情景が見える。大館の白いドーム。しかしコルからP3への登り返しはすさまじい笹ヤブ。背より高い笹をかき分け、前方に何かある、と思ったら、それは反射板だった。反射板は頂上尾根よりも北の尾根にあるはずなので、これは意外だった。ここはいったいどこなのだろう。GPSも電波を拾えない。そこで電波塔に登って周囲を見渡す。南にはP4、西には登ってきた谷、北にはP2らしき尾根と、すぐ隣にもう一つの反射板。GPSで位置確認。先週マーキングした登山口地点のほぼ真東だが、P2よりも北。このP2の位置はたぶん間違いだろう。反射板の手前側に移動し、南東方向にある摩当の頂上を写している(8598、8608)が、このときはそれをP4だと思っていた。そこで、)最高地点と思われる北のP2に向かう。

反射板2の鉄骨に、「旧国鉄、摩当山反射板、2014.5.4、MrJ」と文字が刻まれていた。私が登ったわずか2ヶ月前にあたる。反射板2の先で反射板の基礎らしき土手を下り、コルに降りると、そこに赤テープ。さっきの記載の主はここから登ってきたようだ。P2への登り返しは更にきついヤブこぎ。なんとなく見覚えのある尾根に達する。三角点を探すが、なく、尾根の先が下りになったところで引き返す。P2を再度認定し、休憩。往路を戻ろうと反射板まで戻るが、その先の笹ヤブで方角を間違え、反射板に戻ってしまう。最初は別の反射板かと思ったが、4つ目の反射板の鉄骨に記載を見つけ、それが二つ目の反射板であることが分かる。南に下っているつもりが、北に戻っていた。コル2から沢を下ることにし、コル2で休憩をとる。赤テープと沢筋はすぐにわからなくなってしまったが、西に向かって下り、また沢を見つけ、そこで赤テープを再発見。沢の左岸の作業道を辿って下り、広場に帰着。

車を出すとき、気温は29度になっていた。

(3)2016年5月15日

アラームが鳴ったが起きられず、4時半過ぎに起床。パンを食べて出発。摩当山へは、過去2回は南側から荒れた林道を走ったが、今回は西側の比較的荒れていない林道を通る。北西側から向かうと、南に残雪の森吉山、そして黒々とした摩当山がみえてくる。過去2回には見ることができなかった光景。そして、工事中の日沿道をくぐる。2年前には無かった。最後の集落から未舗装となるが、農作業で使っているらしく、すんなり駐車地点まで入る。林道の上に水が流れている。ヘルメットをかぶり、出発。2回目の後にもう一度来たが、伐採作業中で入れなかった記憶がある。もう伐採作業はやっていないようだ。林道には轍があったが、橋崩壊地点は修復されておらず、沢に下って対岸に渡る。林道広場から沢筋に入る。沢には入らず、沢の左岸の土手をたどる。作業道があったのだろう。土手は比較的登りやすかったが、そのまま進むと頂上の北にある反射板のピークに出るため、土手を下って右の支沢に入り、その右岸の小尾根を登る。GPSによると頂上まで200mを切っている。

今回は新型GPSがあるので、稜線に上がる前から頂上は右寄りにあると分かり、そちらに向かう。前回は標高の高い左よりに上がり、更に東に向かい、散々探した揚句、三角点は見つからなかった。今回は右寄りの稜線に上がり、少し進んだだけで、あっけなく一等三角点を発見。なんとも簡単な頂上到達となった。ザックを下ろして三角点周囲を撮影。といっても視界はさっぱり。前2回のときは最高地点や反射板のところから多少は視界はあった。三角点に到達したからといって眺めが良いわけではない。することもないので早々に帰路につく。帰りは西尾根を下ってみる。ネットでここを登った記録があったからだが、微かに踏み跡の痕跡があり、潅木を切断した跡もある。しかし途中で笹薮帯に遭遇し、右斜面に下りぎみになるが、登り返して尾根をはずさないようにし、笹薮を抜けてからだいぶ楽になる。尾根末端付近で崖になった部分があり、木の蔓につかまって下降。そこはまだ林道広場ではなく、もうひとつ、さっきよりも緩い崖を下り、林道広場に出る。

前日からやたらに洟が出るのは風邪ではなく花粉症のためだろうと思っていたが、歯痛による熱なのかもしれない。

1回目(2014年7月14日)

山の南側(R285)からの林道入口・・・・・この林道は荒れていて車で走りづらい。2回目の帰りに北西側の道を見つけ、3回目は北西側(R105)からアプローチ

林道の奥の農耕地

林道駐車地点・・・・・2014年秋には伐採作業中で木材置場になっていた

林道駐車地点から北へ、割沢林道を歩く

林道の橋崩壊地点・・・・・むき出しになっている埋設管の上を伝って渡る

カーブミラー

植林斜面を登る

最高地点付近・・・・・ほとんど眺望なし

赤リボン

長寿の湯

 2回目(2014年7月21日)

青空の岩木山

快晴の農耕地

林道広場・・・・・1回目はここを通過して更に林道を進んだが、2回目はここから右手(東)の沢筋を進む

沢筋入口と沢筋にテープあり

沢筋の登り

尾根登り・・・・・沢筋の二俣を右俣に入り、すぐに右俣の右岸尾根を登る

稜線・・・・・ここを左に進む(右に進めば三角点があったはず)

大館市内・・・・・白いのは樹海ドーム。三角点尾根から反射板峰に向かう途中より

反射板に登る・・・・・下にいたのでは眺望なし

摩当山・三角点峰・・・・・反射板より(合成写真)

反射板に刻まれた文字・・・・・「旧国鉄、摩当山反射板、2014.5.4、Mr.J」とある。私が登ったわずか2ヶ月前にあたる。

クルマユリ

 3回目(2016年5月15日)

早朝の摩当山・・・・・北西側(鷹ノ巣付近)より

建設中の高速・秋田道・・・・・摩当山はトンネルでくぐるのかな

(この数年後に「摩当山トンネル」が完成。)

田んぼの中の林道を行く・・・・・田んぼでは田植え準備作業中

カーブミラー・・・・・2年前と変わらず

一等三角点・・・・・2回目と同様に登り、稜線を右に進み、あっけなく発見

周囲を掃除して撮影

三角点峰・稜線の西側末端・・・・・崖斜面を二つ、慎重に下ると林道広場に出た

木イチゴの花・・・・・クマイチゴ?