岩木山 頂上から百沢への滑走
仕事が終わった週末に
車に乗って山に出かける
遠くの手ごたえのある山もいいが
近場の里山にふらりと登りたい
日本百名山
75
青森県 1,625m 2005年4月24日
岩木山の頂上から、眼下に見えている百沢スキー場に向かって滑る。すぐに頂上は見えなくなり、真下の大雪原がせまる。
長大なダウンヒル・コース。
岩峰の脇を滑り、鳥海山の真下の大斜面にターンを刻むが、百沢スキー場はまだはるか眼下。
忘れられない大滑走。
❄❄❄❄❄
奈落の底を見下ろし
静かに、断崖絶壁の縁から滑り込む
パウダースノーを巻き上げ、アイスバーンに鋭く切り込み
軽やかに、風を切る
(ダウンヒル)
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(岩木山と大町桂月と太宰治)
岩木山の頂上には大町桂月の歌碑がある。青森と山を愛した詩人
日本百名山の岩木山の章には、太宰治が記した金木から見た岩木山の描写があるが、「ふわりと浮いた・・・十二単」とはどんな姿だったのだろう。
二ッ森から見る点を突くような凛々しい姿の岩木山もなかなかよいと思う
岩木山の展望ポイント
北・・・・・金木から見る、太宰の見た岩木山。「ふわりと浮いた・・・十二単・・・」
東・・・・・空から見た岩木山。秀麗な富士山型
南・・・・・相馬村からの、肩を張ったいかつい岩木山
西南・・・・・二ツ森からの、天を衝く凛々しい姿
西南西・・・天狗岳から、やや傾いた岩木山
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天気予報は晴時々曇から一転して晴。一番バス(8:35)に乗ろうと6:30出発。八甲田も岩木も頂上に雲をかぶっている。しかし、弘前のあたりで雲が取れ、真っ白い岩木山を見ながらスカイラインに向かう。スカイライン入口の駐車場に着くと、もうだいぶ集まっている。バス停に並び、8:40頃来たバスに乗る。チェーンを巻いており、確かに上まで行くと車道に雪あり。八合目で降り、1,000円。南北どちらから登るか少し待つ。
リフトは動かない。9:42、ザックにスキーを付けて出発。直登コース。2パーティが先行。アイゼンを付ける。新雪だが悪くは無い。しかし、やがてアイスバーンになってきて緊張続く登りとなる。ピッケルを持ってくるんだった。みると、リフトの下を登っていくパーティもいる。スキーをかついだ人たち。リフト頂上の先の鞍部を登っていくと、先のパーティに追いつく。登山パーティ。やっと休憩、10:23。上着を脱ぎ、半袖で行く。小屋を過ぎ、ひと山登ると頂上丘が目の前に現れる。振り返るとリフト頂上駅があり、そこから南に続く鳥海山頂(1)にスキーヤーがたくさん歩いており、そこから百沢への大斜面が続いている。あそこから嶽の方へは回れないだろう。登山パーティと追いつ追われつしながら先行のボーダーを追いかけ、10:57頂上着。
誰かがトイレの入口を掘り返している。風があるので百沢の方に向いて陣取る。百沢の方からも次々と人が集まってくる。しかし、おりしも雲がでてきて視界はしばらく閉ざされる。八甲田方面は最後まで見えず。しかし、頂上のふちから下を見ると、百沢まで大斜面が続いており、パンフレットを見ると14:05バスが来るとある。ゆっくり食事をしてからでも十分間に合う。いつの間にか頂上は混み合ってきた。ワイワイ休んでいるなかで一人、悠然と湯を沸かし、缶ビールを飲む。だんだん寒くなってきて上着を着る。一度も使わなかったシールをはがし、ザックを詰めていて缶ビールの空き缶で指を切る。油断禁物。
さて、準備をしてさっそく百沢に向かって滑る。すぐに頂上は見えなくなり、真下の大雪原がせまる。上の方は雪が締まっていて滑りやすい。鳥海との間に岩峰があるが、下まで行ってみると思ったとおり繋がっている。竹ポールが北に向かって続いており、徒歩の人たちはそちらへ降りて行く。弥生ルートのようだ。こちらは百沢を目指す。
鳥海の斜面に出るとポールが立っている。このあたりまで来るとトレースがたくさん付いている。鳥海から一人、ボーダーがゆっくり降りてくる。と、百沢の方から登ってくるスキーヤー。その後、もう一人登ってくる人に会った。100mくらい滑る毎にデジカメで写す。やがて岩木山頂が見えるようになり、大勢が滑り降りてくる。ポールは尾根沿いに立っており、やがて沢にいったん降り、スキー場リフトのある北側の尾根に移る。テレマークのオッサンが滑っている。スキー場は雪が悪く滑りにくい。ゆっくり滑り降りて駐車場に着く、12:25。約30分の滑走。
バスまでまだ2時間ある。バス停にスキーとザックを置いて、タクシーを捜しに少し歩くが何もなし。神社よりだいぶ上らしい。バス停に戻って座り込み、カレル・チャペックを読んでいると、眠くなってウトウトする。車のスキーヤーがどんどん帰っていくが、13:30頃にはバス目当ての団体がやってくる。時間とおりにバスは来て、スカイライン入口まで戻る。嶽温泉、縄文の湯につかり、ソバを食べて帰る。忘れられない岩木山の大滑走であった。
メモ
鳥海山: 岩木山の三つのピーク(北から厳鬼山、岩木山、鳥海山)の一つ。百名山の鳥海山ではない
大町桂月歌碑: 岩木山頂上にあるが、この日は雪に埋まっていた。「四方八方(よもやも)の千万(ちよろず)の山を見下ろして心にかかる雲もなき哉」大正11年10月14日、桂月
太宰治の金木から見た岩木山: 小説「津軽」の一節。「日本百名山」で絶賛された名文。「・・・岩木山が、満目の水田の尽きるところに、ふわりと浮かんでいる。実際、軽く浮かんでいる感じなのである。したたるほど真蒼で、富士山よりもっと女らしく、十二単の裾を、銀杏の葉をさかさまに立てたようにぱらりとひらいて左右の均斉も正しく、静かに青空に浮かんでいる。決して高い山ではないが、けれども、なかなか、透きとおるくらいに嬋娟たる美女ではある。」
百沢付近から見る岩木山・・・スキーゲレンデが見える
天気予報は晴時々曇から一転して晴。一番バス(8:35)に乗ろうと6:30出発。八甲田も岩木も頂上に雲をかぶっている。しかし、弘前のあたりで雲が取れ、真っ白い岩木山を見ながらスカイラインに向かう。スカイライン入口の駐車場に着くと、もうだいぶ集まっている。バス停に並び、8:40頃来たバスに乗る。チェーンを巻いており、確かに上まで行くと車道に雪あり。八合目で降り、1,000円。南北どちらから登るか少し待つ。
嶽温泉から見る岩木山・・・・・これは鳥海山の部分で、岩木山は隠れている
八合目駐車場から見る岩木山
リフトは動かない。9:42、ザックにスキーを付けて出発。直登コース。2パーティが先行。アイゼンを付ける。新雪だが悪くは無い。しかし、やがてアイスバーンになってきて緊張続く登りとなる。ピッケルを持ってくるんだった。みると、リフトの下を登っていくパーティもいる。スキーをかついだ人たち。
八合目からの登り
リフト頂上の先の鞍部を登っていくと、先のパーティに追いつく。登山パーティ。やっと休憩、10:23。上着を脱ぎ、半袖で行く。
鳥海山と登山者
小屋を過ぎ、ひと山登ると頂上丘が目の前に現れる。振り返るとリフト頂上駅があり、そこから南に続く鳥海山頂(1)にスキーヤーがたくさん歩いており、そこから百沢への大斜面が続いている。あそこから嶽の方へは回れないだろう。
八合目駐車場からの雪原斜面ルートを見下ろす
頂上の鐘
登山パーティと追いつ追われつしながら先行のボーダーを追いかけ、10:57頂上着。
頂上の鐘(2002年8月)
大町桂月歌碑(2002年8月)「四方八方(よもやも)の千万(ちよろず)の山を見下ろして心にかかる雲もなき哉」大正11年10月14日、桂月
白神岳
岩木山頂上と登山者たち
誰かがトイレの入口を掘り返している。風があるので百沢の方に向いて陣取る。百沢の方からも次々と人が集まってくる。しかし、おりしも雲がでてきて視界はしばらく閉ざされる。八甲田方面は最後まで見えず。
八合目駐車場からのリフト
森山(弘前)・・・・・百沢スキー場の近くにある403mの山
百沢スキー場
頂上のふちから下を見ると、百沢まで大斜面が続いており、パンフレットを見ると14:05バスが来るとある。ゆっくり食事をしてからでも十分間に合う。いつの間にか頂上は混み合ってきた。ワイワイ休んでいるなかで一人、悠然と湯を沸かし、缶ビールを飲む。だんだん寒くなってきて上着を着る。一度も使わなかったシールをはがし、ザックを詰めていて缶ビールの空き缶で指を切る。油断禁物。
頂上からの滑走
さて、準備をしてさっそく百沢に向かって滑る。すぐに頂上は見えなくなり、真下の大雪原がせまる。上の方は雪が締まっていて滑りやすい。鳥海との間に岩峰があるが、下まで行ってみると思ったとおり繋がっている。竹ポールが北に向かって続いており、徒歩の人たちはそちらへ降りて行く。弥生ルートのようだ。こちらは百沢を目指す。
滑走2
鳥海山とボーダー
鳥海の斜面に出るとポールが立っている。このあたりまで来るとトレースがたくさん付いている。鳥海から一人、ボーダーがゆっくり降りてくる。と、百沢の方から登ってくるスキーヤー。その後、もう一人登ってくる人に会った。100mくらい滑る毎にデジカメで写す。
百沢に続く雪原斜面
長大なダウンヒル・コース。
岩峰の脇を滑り、鳥海山の真下の大斜面にターンを刻むが、百沢スキー場はまだはるか眼下。
忘れられない大滑走。
大斜面を登るスキーヤー
滑走3
鳥海山と岩木山
やがて岩木山頂が見えるようになり、大勢が滑り降りてくる。ポールは尾根沿いに立っており、やがて沢にいったん降り、スキー場リフトのある北側の尾根に移る。テレマークのオッサンが滑っている。スキー場は雪が悪く滑りにくい。ゆっくり滑り降りて駐車場に着く、12:25。約30分の滑走。
斜面の木
滑走4
鳥海山
テレマーカー
鳥海山と岩木山
百沢スキー場の滑走
スキー場麓からの岩木山
バスまでまだ2時間ある。バス停にスキーとザックを置いて、タクシーを捜しに少し歩くが何もなし。神社よりだいぶ上らしい。バス停に戻って座り込み、カレル・チャペックを読んでいると、眠くなってウトウトする。車のスキーヤーがどんどん帰っていくが、13:30頃にはバス目当ての団体がやってくる。時間とおりにバスは来て、スカイライン入口まで戻る。
嶽温泉
嶽温泉、縄文の湯につかり、ソバを食べて帰る。忘れられない岩木山の大滑走であった。
美しき岩木山
金木町から見る岩木山(2004年3月映像)
太宰治の見た岩木山?
「岩木山が、満目の水田の尽きるところに、ふわりと浮かんでいる。実際、軽く浮かんでいる感じなのである。したたるほど真蒼で、富士山よりもっと女らしく、十二単の裾を、銀杏の葉をさかさまに立てたようにぱらりとひらいて左右の均斉も正しく、静かに青空に浮かんでいる。決して高い山ではないが、けれども、なかなか、透きとおるくらいに嬋娟たる美女ではある」
空から見る岩木山(2003年4月)
秀麗な富士山型
相馬村から見る岩木山(2015年2月映像)
肩を張ったいかつい姿
二ッ森から見る岩木山(2016年3月)
天を突く凛々しい姿
天狗岳から見る岩木山(2003年9月)
やや傾いた姿