ナメトコ山     宮沢賢治の童話の山

仕事が終わった週末に

車に乗って山に出かける

遠くの手ごたえのある山もいいが

近場の里山にふらりと登りたい

岩手の山150

81

岩手県 860m

2015年10月18日

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宮沢賢治の童話に因んで命名されたこの山に是非登りたいと思っていた。

ナメトコ山の頂上は平坦な林の中の道から少し西に登った丘にあり、木の幹に頂上標識が二つ。里山スケッチにある「鉄砲持たねで、来てけろ」というのは、その木の幹に白ペンキで書かれていたようだが、だいぶかすれていた。

沢筋を下る道はいたるところ崩壊していたが、この沢にはナメがあり、ナメトコ山の命名の根拠になっていると思われる。

くたびれたが、山の自然が詰まった山旅であった。

 県道12号から県道234号に入る橋のところから見るナメトコ山。透かしガラスの案内板がある
 豊沢神社(豊沢金勢大権現)
 木の幹の「鉄砲もたねで来てけろ」の白ペンキはだいぶかすれていた
 紅葉5(ブナ)
  7:56 東登山口発  8:11 豊沢神社(豊沢金勢大権現)  8:36 P2・640m峰(トラバース)10:47 ナメトコ山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り2時間51分10:59 ナメトコ山発11:45 北股沢(懸垂下降)12:26 林道12:43 林道分岐(西登山口?)・・・・・・・・下り1時間44分13:25 県道234号14:02 東登山口・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・周回6時間6分

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道の駅から鉛温泉、豊沢ダムを越えてナメトコ山に向かう。宮沢賢治の童話に因んで命名され、長い周回路が付けられたこの山に是非登りたいと思っていた。

朝、外は曇っていたが、携帯天気予報は晴。着替えてDS9を1本見ながらパンを食べ、出発。前日の花巻温泉、台温泉よりも南にある花巻南温泉峡に入る。銀河なめとこラインとある(県道12号)。最奥の豊沢ダムを通過。ダムには水がなく、底が見えていた。右折して県道234号に入る。細い舗装路だが、雫石に通じていて、男助山のあたりに出るようだ。西口への分岐点には道標がなく、気付かずに通過。東口には「豊沢金勢大権現」の案内標識があり、駐車スペースもあるのでそこに駐車して歩くことにする。大権現までは広くてよく整備された道だった。この日も手ぶら歩き。キューブでピンクフロイド。天気予報は晴れだが小雨模様で草は濡れている。最初のピーク、580m峰の手前に豊沢金勢大権現の祠があった。中は見えず。この先、道はヤブとなり、ピンクテープを探しながら歩く。P1(豊沢神社峰580m)を認定。GPSではここに神社マークがあるが、実際の祠はその手前であった。

P2・640mを認定。ここからいったんコルに下る。道の途中に焚き火の跡。小雨が止まず、レイングローブが水びたしになったので、レインウェア上下を着込み、タフに持ち替える。とたんに靄が晴れて日が射し、青空が見え始める。ただし、草は濡れているのでレイングローブはなかなか乾かなかった。三角点のあるP3・740m峰は頂上まで行かずにトラバース。GPSをよく見て、三角点までいくべきだった。樹間に岩手山が見えるので、イクシーを取り出して12倍ズームで撮影。P4から下りとなり、コルのあたりで樹間にピークが見えたが、それはナメトコ本峰ではなく、双耳の西峰(887m)のようだ。ナメトコ山への最後の登りの途中で登山道から外れる。登山道はつづら折りを切っているが、面倒なので斜面をまっすぐ登り、頂上手前で登山道に復帰。

平たんで広い頂上部の登山道から北に少し登った台地にナメトコ山頂上があった。二つの頂上標識。一つはILP。三角点はなし。双耳の西峰887mまでは約500m。頂上は林の中にあり、南のみ樹間に912m峰と901m峰が見えた。紅葉の樹間に紅葉の稜線。その右奥には焼石連峰と思われる山々が微かに見える。その左奥のトライアングルは栗駒、更にその背後におぼろに白く見えるのは鳥海だろうか。西に912m峰に続いているはずの双耳の西峰887mは見えず。微かな踏み跡が西にあったような気もするが、写真には撮っていない。最初、912m峰が松倉山だと思ったが、かなり遠く10kmは離れている。2年前に松倉山に登った時の写真にナメトコ山は確認できず。頂上を辞し、西口に向かう。距離が短いだけあって、急な斜面の下りとなり、固定ロープにつかまって降りる。下りが九十九折りになるあたりで登山道を外れ、沢に向かって下る。沢まで下れば登山道があるだろう。沢が見え、ピンクリボンも見えたが、掴まるものがない急傾斜なので、補助ロープを出して途中の立木を3回使い、懸垂下降で沢に降りる。沢から斜面への取り付き点よりも下流に降りたようなので、少し上流まで歩き、取り付き点を確認する。沢の途中にナメ床があり、これがナメトコ山の根拠になっているのだと察する。ピンクテープのある斜面取り付き点を確認し、沢を下っていくと、短いナメ滝もある。

沢筋の登山道はほぼ崩壊状態で、左右に徒渉しながら慎重に下降。荒れたナメ床を写す。更に下ると、もっと長いナメがあった。その更に下流のナメ床の先に小滝があり、右岸からは降りれないので左岸に渡るが、そちらにも道はなく、斜面を滑り降りる。下にも道は見当たらないが、GPSによると林道がすぐ右岸側にあるようなので、右岸の斜面を登る。斜面を登ると、上流側から下ってくる踏み跡を発見。どうやら小滝を大きく迂回する巻き道らしい。その踏み跡を下ると、荒れ果てた林道に出る。沢下りはわずか300mくらいだったが、ずいぶん長く感じた。荒れた林道に入る直前あたりでイクシーのケースが壊れ、林道に入ってからタフのケースに取り換え、ついでにレインウェアの上を脱ぐ。林道歩きは長く、約5km。最初は荒れていた林道は次第に良くなり、500mくらいで林道分岐に出る。これまで歩いてきたのが北ノ又林道とキタノマタ沢、これから歩くのが西ノ又林道とニシノマタ沢ということらしい。西ノ又林道1.3km地点にナメトコ沢の表示。確かにナメ床がある。中ノ又沢に合流する地点に橋があり、それを渡った先に県道234号があった。分岐点にでると子供が出てきてびっくり。広い駐車場があり、家族連れが来ていたようだ。県道234号は意外に車がたびたび通過していった。そしてようやく東口の駐車地点に到着。着替えて車に乗り込み、パンを食べて少し休憩。県道12号に出たところにある橋にナメトコ山の案内があり、そこからナメトコ山が見えた。透明ガラスに記された案内には、「登山道は整備されていませんので登ることはできません」とある。なんてことだ。まあ、登ってしまったからもういいか。この日も、ぎんがの湯に入る。

くたびれたが、山の自然が詰まった山旅であった。

 東登山口(豊沢金勢大権現)

道の駅から鉛温泉、豊沢ダムを越えてナメトコ山に向かう。宮沢賢治の童話に因んで命名され、長い周回路が付けられたこの山に是非登りたいと思っていた。

豊沢神社(豊沢金勢大権現)

朝、外は曇っていたが、携帯天気予報は晴。着替えてDS9を1本見ながらパンを食べ、出発。前日の花巻温泉、台温泉よりも南にある花巻南温泉峡に入る。銀河なめとこラインとある(県道12号)。最奥の豊沢ダムを通過。ダムには水がなく、底が見えていた。右折して県道234号に入る。細い舗装路だが、雫石に通じていて、男助山のあたりに出るようだ。西口への分岐点には道標がなく、気付かずに通過。東口には「豊沢金勢大権現」の案内標識があり、駐車スペースもあるのでそこに駐車して歩くことにする。大権現までは広くてよく整備された道だった。この日も手ぶら歩き。キューブでピンクフロイド。天気予報は晴れだが小雨模様で草は濡れている。最初のピーク、580m峰の手前に豊沢金勢大権現の祠があった。中は見えず。この先、道はヤブとなり、ピンクテープを探しながら歩く。P1(豊沢神社峰580m)を認定。GPSではここに神社マークがあるが、実際の祠はその手前であった。

 

岩手山

 ナメトコ山・西峰

 紅葉1(ブナ?)

P2・640mを認定。ここからいったんコルに下る。道の途中に焚き火の跡。小雨が止まず、レイングローブが水びたしになったので、レインウェア上下を着込み、タフに持ち替える。とたんに靄が晴れて日が射し、青空が見え始める。ただし、草は濡れているのでレイングローブはなかなか乾かなかった。三角点のあるP3・740m峰は頂上まで行かずにトラバース。GPSをよく見て、三角点までいくべきだった。樹間に岩手山が見えるので、イクシーを取り出して12倍ズームで撮影。P4から下りとなり、コルのあたりで樹間にピークが見えたが、それはナメトコ本峰ではなく、双耳の西峰(887m)のようだ。ナメトコ山への最後の登りの途中で登山道から外れる。登山道はつづら折りを切っているが、面倒なので斜面をまっすぐ登り、頂上手前で登山道に復帰。

 姫神山

 ナメトコ山頂上・・・・・二つの頂上標識

 木の幹の「鉄砲もたねで来てけろ」の白ペンキはだいぶかすれていた


平たんで広い頂上部の登山道から北に少し登った台地にナメトコ山頂上があった。二つの頂上標識。一つはILP。三角点はなし。双耳の西峰887mまでは約500m。頂上は林の中にあり、南のみ樹間に912m峰と901m峰が見えた。紅葉の樹間に紅葉の稜線。その右奥には焼石連峰と思われる山々が微かに見える。その左奥のトライアングルは栗駒、更にその背後におぼろに白く見えるのは鳥海だろうか。西に912m峰に続いているはずの双耳の西峰887mは見えず。微かな踏み跡が西にあったような気もするが、写真には撮っていない。最初、912m峰が松倉山だと思ったが、かなり遠く10kmは離れている。2年前に松倉山に登った時の写真にナメトコ山は確認できず。頂上を辞し、西口に向かう。距離が短いだけあって、急な斜面の下りとなり、固定ロープにつかまって降りる。下りが九十九折りになるあたりで登山道を外れ、沢に向かって下る。沢まで下れば登山道があるだろう。沢が見え、ピンクリボンも見えたが、掴まるものがない急傾斜なので、補助ロープを出して途中の立木を3回使い、懸垂下降で沢に降りる。沢から斜面への取り付き点よりも下流に降りたようなので、少し上流まで歩き、取り付き点を確認する。沢の途中にナメ床があり、これがナメトコ山の根拠になっているのだと察する。ピンクテープのある斜面取り付き点を確認し、沢を下っていくと、短いナメ滝もある。

 ナメトコ山頂上の眺望:見えているのは901m峰と912m峰と思われる

 紅葉2(ブナ?)

 紅葉3(ブナ?)

北股沢のナメ・・・・・ナメトコ山の命名の根拠と思われる。林道を下る途中に「ナメトコ沢」というのもあった

 

紅葉4(ブナ?)

 

小滝・・・・・この小滝の左側(右岸)に巻き道があるが、下るときは気付かず、小滝の左岸を下ってから発見した


沢筋の登山道はほぼ崩壊状態で、左右に徒渉しながら慎重に下降。荒れたナメ床を写す。更に下ると、もっと長いナメがあった。その更に下流のナメ床の先に小滝があり、右岸からは降りれないので左岸に渡るが、そちらにも道はなく、斜面を滑り降りる。下にも道は見当たらないが、GPSによると林道がすぐ右岸側にあるようなので、右岸の斜面を登る。斜面を登ると、上流側から下ってくる踏み跡を発見。どうやら小滝を大きく迂回する巻き道らしい。その踏み跡を下ると、荒れ果てた林道に出る。沢下りはわずか300mくらいだったが、ずいぶん長く感じた。荒れた林道に入る直前あたりでイクシーのケースが壊れ、林道に入ってからタフのケースに取り換え、ついでにレインウェアの上を脱ぐ。林道歩きは長く、約5km。最初は荒れていた林道は次第に良くなり、500mくらいで林道分岐に出る。これまで歩いてきたのが北ノ又林道とキタノマタ沢、これから歩くのが西ノ又林道とニシノマタ沢ということらしい。西ノ又林道1.3km地点にナメトコ沢の表示。確かにナメ床がある。中ノ又沢に合流する地点に橋があり、それを渡った先に県道234号があった。分岐点にでると子供が出てきてびっくり。広い駐車場があり、家族連れが来ていたようだ。県道234号は意外に車がたびたび通過していった。そしてようやく東口の駐車地点に到着。着替えて車に乗り込み、パンを食べて少し休憩。

 紅葉5(ブナ)

林道分岐(西登山口?)


紅葉6(ウルシ)


県道234号


 豊沢神社峰(580m)

 ナメトコ山案内・・・・・県道12号から県道234号に入手の橋のところにある。透かしガラスの向こうにナメトコ山を同定できる

県道12号に出たところにある橋にナメトコ山の案内があり、そこからナメトコ山が見えた。透明ガラスに記された案内には、「登山道は整備されていませんので登ることはできません」とある。なんてことだ。まあ、登ってしまったからもういいか。この日も、ぎんがの湯に入る。

 ナメトコ山案内の説明・・・・・「なめとこ山の熊のことならおもしろい。なめとこ山は大きな山だ。淵沢川はなめとこ山から出て来る。なめとこ山は一年のうち大ていの日はつめたい霧か雲かを吸ったり吐いたりしてゐる。まはりもみんな青黒いなまこや海坊主のやうな山だ。山のなかごろに大きな洞穴ががらんとあいてゐる。そこから淵沢川が・・・・・・・・・・」宮沢賢治は童話「なめとこ山の熊」の冒頭でこう描写している。

「登山道は整備されていませんので登ることは出来ません」とある