笠倉山     奥会津の秘峰、灌木尾根登り

福島県  994m  2016年5月29日

会津百名山

131

5時過ぎに道の駅を出発。晴予報だったが霧で山は見えない。国道から狭い舗装路に入ると畑や田んぼで働いている人たち。舗装路から砂利道になったところで通行止めゲート。そこに駐車。

予定の出発点よりも1㎞弱遠い程度。ヘルメットをかぶって出発。林道終点から更に沢沿いの踏み跡をたどる。尾根へ取付く目印を見つけられず、取付き点を定めて登り始めると、そこにリボンがあった。

前週の御衣森に比べると薄いヤブだが、傾斜は急。笹は少なく、ブナの幼木などの灌木を掴んで登っていく。四方に枝を這わせているやっかいな灌木が何度も出てくるが、これには我慢して枝をくぐったり跨いだり避けたり、もしくは踏みつけたりして越えていく。

頂上尾根が近づくと次第に視界が開け、霧も晴れ、中央峰に達すると南会津の名峰に取り囲まれていた。南に鷲ヶ倉山と蒲生岳、その背後に会津朝日岳。北東には貉ヶ森山、北西に見えるのは矢筈岳だろうか。そして西正面に大きい浅草岳と守門岳がすばらしい。同定できない山が多いが、何度も眺め、何度も写す。

三角点は南西端ピークにあったが、中央峰と同じくらいの高さだと思う。まるで何も見えない灌木尾根の苦しい登りから、全方位展望の頂上で至福のひととき。すばらしい登山。

下りでは何度も尾根から外れそうになり、GPSで確認して往路ルートに戻る。傾斜があるのでオープンスペースはかえって危ない。一回しりもちをつき、右ひじを痛める。GPSが無かったら、だいぶ違ったところに降りてしまったかもしれない。沢沿いの道に下り、林道に出ると真夏の太陽がまぶしい。サングラスをかける。林道途中で笠倉山を写すが、このときは薄雲が出ていて青空の背景では撮れなかった。いずれにせよ、笠倉は名峰である。

 帰りの林道から仰ぎ見た笠倉山。あの右の尾根を登ったのだ。
 笠倉山・三角点峰
 守門岳
 巨大なナナカマドの花の房
タニウツギ
三角点は南西端ピークにあったが、中央峰と同じくらいの高さだと思う。まるで何も見えない灌木尾根の苦しい登りから、全方位展望の頂上で至福のひととき。すばらしい登山。
  6:25 林道ゲート発  7:30 尾根取付10:25 笠倉山・・・・・・・・・・・・・・・・登り4時間0分10:47 笠倉山発13:11 尾根取付点14:32 林道ゲート・・・・・・・・・・・・往復(含休憩)8時間7分

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4時のアラームに全く起きられず、道の駅を出たのは5時半。霧が立ち込めていて遠景は見えない。国道から脇道に入り、踏切を渡って働いている人のいる畑や田んぼの中を進む。舗装路から砂利道になってすぐ、通行止めの表示。そこに駐車して歩くことにする。予定よりも1kmほどの林道歩き。この日はヘルメットをかぶっていく。霧で視界なし。沢の分岐は知らずに通過。その先の分岐は左(右は沢を渡って左岸)。林道塩沢線の表示のあたりがGPSスタート地点。林道終点となり、奥に「黒尾滝」という表示で踏み跡が続いている。その道は途中で斜面トラバースの踏み跡が怪しくなっていて、ロープも1本垂れていた。慎重に通過。

GPSにマーキングしてある尾根末端付近を通過するが何もなし。踏み跡は沢に降りて消えており、対岸に続いているようだ。引き返して尾根に登ることにする。少し戻り、取付き地点を定めてみると、上の枝に古いテープが垂れている。やはりここが尾根取付点だった。リストバンドと軍手をはめ、登り始める。ブナの斜面を登っていくと比較的新しい赤リボンもある。踏み跡らしきものは時々出てくるが、基本的にはなし。尾根筋を定めて登ると次の赤テープが現われる。前週の御衣森に比べると薄いヤブだが、傾斜がきつく、常に枝を掴んで登っている感じ。やっかいなのが枝を這わせている潅木で、枝を避け、手でよけ、跨ぎ、手で掴み、踏みつけ、越えていく。強引に進まず、潅木をなだめ、踏みつけ、時には折る。こういうゆっくりペースの登り方がいつの間にか身についている。沢のツメ登りで覚えたのだろう。

次第に樹間に遠景が見えてくる。霧が晴れて青空が広がっている。何度か潅木のない地肌部分が現われ、それを登るが、傾斜のある地肌部分はかえって登りにくい。そして傾斜が格段に緩くなり、視界が開ける。頂上尾根に出たようだ。

背後、北側の近くにあるのは狢ヶ森山のようだ。古いつぶれたペットボトル。北には無数の山並が広がっていたが、その中心にあるのが矢筈岳だろうか。南には鷲ヶ倉と蒲生岳、その背後に会津朝日(丸山岳はその陰らしい)。絶景だ。中央峰に達すると南会津の名峰に取り囲まれていた。頂上尾根起点から頂上まで200mもなかったはずだが1時間以上かかっているのは、写真を撮っていたためだと思う。最高点と思われる地点は林から抜けていて、360度の視界。だがそこには三角点がない。GPSによると、更に先にあるピークのようだ。そのピークの向こうに浅草岳と守門岳が見え、とりあえず撮影してから三角点ピークに向かう。最奥のピークに達すると、果たしてそこに少し傾いた三等三角点があった。ザックを置き、しばらく周囲の情景を撮影。それから腰を下ろして初めての休憩。さんざん周囲を写し、帰路につく。9310~9537、227枚。

頂上尾根からの下降は後ろ向きにならないと無理な傾斜。下降方向にはそれらしいスペースがたくさんあり、GPSを見て何度も修正。トラバースしながらでは往路ルートまで戻れないので、登り返して小尾根を乗り越し、往路ルートに戻る。10mくらいの修正のため、何度も登り返す。往路に戻ると赤テープ。裸地急斜面は手掛かり足がかりがなく下りにくい。とにかく常に枝を掴んで下る。裸地斜面の下降で滑って右腕を摺りむく(服は大丈夫だがヒジが摺りむけ、下山してからバンドエイドを貼る)。ザックを下ろして少し休憩。

ようやく傾斜が緩み、平らなところを過ぎ、尾根取付点はまだかと進む。GPSではもう取付きを過ぎているのにまだ道に出ない。するとまた急斜面があり、下から沢の音が聞こえる。こんなところは通らなかったなあ、とよく考え、取付きの微かな踏み跡を通り過ぎていたことに気づく。さっきの平らなところまで登り返すと、果たしてそこが黒尾滝への道だった。斜面の上に白テープもある。ザックを下ろして休憩。林道に出ると日差しが強いのでサングラスをかける。頂上からこの林道が見えていたので、林道から笠倉が見えるに違いないと思っていたが、水源施設のあたりで背後に笠倉を見る。少し戻って撮影。しかし薄雲がかかり、写りがいまいち。この後、日が射してきたのでもう一度引き返し、笠倉を撮影するが、余り変わらず。

メモ

 (追記)

・花(写真1、7、8、9、13):タニウツギ、ツツジ、ナナカマド、巨大なナナカマドの花の房

・林道終点(写真3)最奥に、消えそうな字で「黒尾滝」と読める標識があり、踏み跡があった

・景観(写真10から22に7枚):鷲ヶ倉山、会津朝日岳、稲子山?(南方向、会津朝日の左隣。最初は丸山岳と思ったが、会津朝日の背後で見えていないようだ)、浅草岳、守門岳、狢ヶ森山、矢筈岳、未丈ヶ岳?、毛猛山?

・頂上の様子(写真14から21に4枚)笠倉山・中央峰に達し、最初ここが頂上と思ったが、三角点がなかった。笠倉山・三角点峰は中央峰から更に奥

・笠倉山(写真25):蒲生岳頂上から見る迫力の姿(2009年5月映像)。今回登った東尾根は画面の反対側だが、画面に見える斜面はどこも登れそうもないように見える。

1.林道ゲート・・・・・ここに駐車

2.花1・・・・・タニウツギ?

キンモンガ

3.林道終点・・・・・最奥に、消えそうな字で「黒尾滝」と読める標識があり、踏み跡があった

 


4.沢沿いの踏み跡・・・・・荒れている


5.尾根取付き点・・・・・白いリボンが見える

6.四方に枝を這わせているやっかいな灌木・・・・・何度も出てくるが、これには我慢して枝をくぐったり跨いだり避けたり、もしくは踏みつけたりして越えていく。

7.花1・・・・・タニウツギ?

8.花2・・・・・ツツジ

9.花3・・・・・ナナカマド?

10.鷲ヶ倉山・・・・・南方向

11.会津朝日岳・・・・・南方向

12.稲子山?・・・・・南方向、会津朝日の左隣。最初は丸山岳と思ったが、会津朝日の背後で見えていないようだ

13.花3・・・・・巨大なナナカマドの花の房

14.頂上稜線末端に達し、頂上方面を見る

15.笠倉山・中央峰・・・・・ここが頂上と思ったが、三角点がなかった

16.笠倉山・三角点峰・・・・・中央峰から見る頂上稜線南西端の三角点峰

17.浅草岳・・・・・南西方向

18.守門岳・・・・・西方向

19.貉ヶ森山?・・・・・北東方向

20.矢筈岳?・・・・・北東方向

21.笠倉山・三角点頂上

22.未丈ヶ岳?(左)と毛猛山?・・・・・南西方向

23.林道・・・・・頂上から林道が見えたので、帰りに林道から笠倉頂上を見上げる

24.傾斜があるオープンスペース・・・・・手がかりがないのでかえって危ない。一回しりもちをつき、右ひじを痛める

25.笠倉山・・・・・蒲生岳頂上から見る迫力の姿 (2009年5月映像)

今回登った東尾根は画面の反対側だが、画面に見える斜面はどこも登れそうもないように見える。