秋田県 946m 2014年 9月27日
旧秋田県の山・脚注
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林道ゲートから歩くと、やがて沢の上流の四十八滝が見えてくる。鋭角の岩壁の上を細い滝が流れ落ちている。
踏跡はこちら側の沢筋のところで滝の手前で下るように見えたが、伐採準備のために滝の上流地点まで仮設ルートができていて、滝の落ち口の先まで続いていた。スティックを収納してザックに取り付け、枝を掴んで岩場を登る。
落ち口の小沢を渡り、そこからは沢筋の道。登山靴が岩に滑って登りにくい。そこで本流を離れて左岸の枯沢を登り、笹ヤブ急斜面を登る。
ヤブや潅木を切り払った跡があったが、伐採前の準備らしい。上流側からモーターの音が聞こえる。登っていくとやがて伐採の跡も消え、笹を掴んでの登りとなる。踏跡はないが、赤リボンがピークまで続いていた。稜線に到達してコンパスで方角確認していると、微かだが踏跡があるのに気づく。その踏跡は長場内岳頂上まで続いていた。
稜線のマイナーピーク(P1・810m峰)から初めて長場内が見えた。立派な姿だ。
思ったよりも細い稜線は延々と登りが続いたが、最高点と思われる場所に着くと、そこに一等三角点があった。頂上標識はなく、古い赤テープが一つ。
木に登って北の情景を見る。おお、あれは岩木山。それに東に見える双耳は藤里駒ヶ岳のようだ。藤里駒の西にあるハゲた山は小岳らしい。
秋田白神の最奥部の一角に分け入った旅。自然の真っ只中だった。
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下見の時と同様、二ツ井の西の種で右折し、北上。集落を通り、砂利道となる。橋を渡ったところから岳林道。小滝山林道の分岐。前回は小滝林道は通行止めだったが、今回は開いている。岳林道は途中で四十八林道となる。前回到達地点の少し手前にロープで通行止めゲートがあり、そこに駐車。
アペックスにヘルメット、ハーネスのスタイルで準備していると、乗用車で男性が一人やってくる。更に軽トラックの人がやってきて、ロープを外して林道を進んでいった。植林伐採作業の人らしい。ロープは外されたままだったが、そのまま歩く。ガイドによると、「四十八林道終点より廃道を1時間、草付きの急斜面を下って沢の上流を渡り、滝の右岸寄りの笹と潅木の斜面を登って右岸に移る。ヤブをかき分けて1時間20分で南西尾根。30分で小ピーク。北尾根を登って頂上。4時間。一等三角点」とある。一方、ネット情報では、「長場内川を渡り、沢を詰めて小尾根に取付く。最初の取付を間違えなければしっかりした道がある」とある。林道を行くと谷向こうに緩いピークが並んでいて、コンパスで方角を確認したところからすると、真ん中の一番高いのが長場内のようだ。林道終点には作業車が2台。作業の人が準備中。その先の踏跡を行くが、それは伐採作業用のものだったようだ。
やがて沢の上流の四十八滝が見えてくる。鋭角の岩壁の上を細い滝が流れ落ちている。踏跡はこちら側の沢筋のところで滝の手前で下に下るように見えたが、滝の落ち口の先まで続いていた。スティックを収納してザックに取り付け、枝を掴んで岩場を登る。落ち口の小沢を渡り、そこからは沢筋の道。登山靴が岩に滑って登りにくい。スティックを出せばよかったかもしれないが、足を滑らせ、右靴に水が入ってしまう。ゲートの男性が長靴で追いついてきて先に行く。慣れてそうなので先にいってもらい、私は沢を登るのを切り上げ、右の涸沢を登る。
ヤブや潅木を切り払った跡があったが、伐採前の準備らしい。上流側からモーターの音が聞こえる。登っていくとやがて伐採の跡も消え、笹を掴んでの登りとなる。踏跡はないが、赤リボンがピークまで続いていた。今日はアペックスに木綿靴下だが、靴下がずれる。尾根に到達し、コンパスで方角確認していると、尾根に微かだが踏跡があるのに気づく。この踏跡は長場内岳頂上まで続いていた。マイナーピークが二つあり、P1から初めて長場内が見えた。立派な姿だ。コルから登り返しとなり、P2からいったん下り、最後の登り。
思ったよりも細い尾根は延々と登りが続いたが、最高点と思われる場所に着くと、そこに一等三角点があった。ヤブ道の登りは確かに容易ではなかったが、これまでの数々のタフな頂上に比べれば、かなりあっさりとした到達だった。ヤッホーとだけ言って三角点を映す。頂上標識はなく、山頂名を記載してあるらしい赤テープが一つ。視界が全くないので奥に少し下り、木に登って北の情景を見る。おお、あれは岩木山、それに東に見える双耳は藤里駒のようだ。その後に県境稜線があり、小岳のあたりのようだ。
下山時、藤里駒の左(西)にあるハゲた山を見る。大臼岳かと思ったが小岳らしい。南には市街地と森吉山。P2からの下りで踏跡を見失い、西斜面を下っていることに気付き、登り返す。尾根に戻り、方向を定めて下ったつもりがまたダメで、再度尾根に登り返し、ようやく更に左(東)にある踏跡を見つける。難しいものだ。マップとコンパスで何度か方角と位置を確認している。P2は東西に長い長場内頂上の西端にあり、そこから主尾根は南に左折しているが、支尾根もあるようだ。
コルから登り返し。往路で見たガラスボトルを再び見る。靴下をたくしあげる。このあたりでも道を間違え、少し引き返し。P1に至り、長場内や小岳が見える。明るいうちに戻れるか、やや焦り出していて、小岳しか写していない。尾根から往路の尾根下りの入口が分からず、稜線の踏跡を下っていくと境界見出標がある。そこから登り返しになり、古い案内標識。やがて背後にP1が見えてくる。このまま稜線の踏跡を辿っていいのだろうか。主稜線は林道に繋がっていないので戻れないかもしれない。そこで引き返すことにする。
P1まで戻って往路の下降点を探すことも考えたのだが、登り返しもしんどいので、コル2から沢に下ることにする。沢の水が心配だが、なんとかなるだろう。斜面から沢筋に下るが、傾斜の強い滑りやすそうな岩場があるので、いったん斜面に戻り、しばらくトラバース気味に斜面を下り、再び沢筋に下る。赤テープを発見してほっとする。このあたりで収納していたスティックを出し、水が増えてきた沢を下る。スティックがあるとだいぶ違う。往路で登った涸沢と思われる分岐に到達。
沢から踏跡に上がり、一安心。もう暗くなっても大丈夫だ。もう伐採作業の音も止んでいる。四十八滝に着くと、上空に飛行機雲。林道終点にも作業車はもういない。看板には「除伐作業中」「造林事業請負、下刈、除伐、除伐Ⅱ類」とある。林道ゲートのロープは張り直されていた。カーナビによると、長場内の右(東)にある尖ったのは獅子鼻岳。大臼岳の左は次郎左衛門岳。その左に焼山とあるが、見えていただろうか。翌日はここのすぐそばの小滝山を目指す。最寄りの道の駅と温泉をカーナビ入力して出発。
カーナビは東隣の藤里町への道を示しており、途中にある舗装路が繋がっているようなので、そっちにある温泉を入力し、舗装路に左折する。池のある林を抜けてやや広い道に出ると、北西方向の夕暮れの空に長場内岳が見えた。その先でトイレのありそうな体育館に寄るが、なかった。藤里の温泉は500円くらいだったろうか。プールもある大きな施設。藤里には比較的大きなスーパーがあり、二ツ井のコンビニで夕食を買い、道の駅二ツ井に入る。
岳林道
林道ゲート・・・・・伐採の準備作業中だった
長場内岳(左ピーク)・・・・・林道(ゲートの先)より
四十八滝・・・・・音は聞こえるが、滝身はあまり見えない
滝の落ち口の上流・・・・・途中で右手の涸沢に入る
稜線・・・・・かすかな踏み跡がある
ブナ
長場内岳頂上
一等三角点
頂上の古い赤テープ
岩木山・・・・・長場内岳頂上付近より
藤里駒ヶ岳・・・・・長場内岳頂上付近より
岩木山、冷水岳、藤里駒ヶ岳
小岳・・・・・稜線より。頂上の南側がハゲているのが特徴的
大臼岳、青鹿岳?と小岳
次郎左衛門岳
市街地・・・・・稜線より南