ナ. 冷房ぎらい

私は人一倍汗かきである。年と共に少しは良くなったが、暑い中を歩いてよその家の玄関に入った時とか、自転車から降りた時など、どっと顔に汗がふき出して困ってしまう。

こんな私なのに、扇風機、まして冷房があまり好きではない。というよりきらいだ。自然の風や団扇の風が好きだ。

でも外へ出る時つい扇子を持つのを忘れ他の人が使っているのを見ては、自分のドジさに気が付く。

もっとも現在はビルや乗物に冷房装置があるので扇子の出番は少ない。

もうどの位前からだろう、冷房がきらいになったのは。

その当時はオイルショック前で、デパートなどの冷房がとても低くされていた。

暑がりの私は、デパートの中に入るとすーと涼しくて、これはいいなと思った。

ヤマホタルブクロ

友人と会って話をしたり、見て廻っているうちに少し頭痛がしてくる。あまり気にせず何時間か過ごして帰宅する。

それからが大変。

先ず頭は益々ガンガン痛くなり、その上気分が悪くなってしまう。はじめ体調のせいだと思ったが何度かくり返して、私は冷房に弱いのだと分かった。

特急列車などで頭の上から冷気がくると、車中でも帽子をかぶって防ぐことにしている。

我が家にも扇風機はあるにはあるが、これはお客様用。両側の窓を明けて風を通すと何もいらない。

でも風の無い時「暑い。暑い。」と汗を拭きながら、私は安上り人間だなと思う。

(1989年9月)