私が初めてTadokuの “授業” をやらせていただいたのは、
小学2年生4人、小学3年生2人というグループの形でした。
いくつかビックリしたことがありましたので、
ご紹介したいと思います。
2年生のクラスでは、
お母さん方にも参加していただきました。
はじめに子どもたちに、
「自分専用」の小さなノートに名前を書いてもらい、
多読で用いる本の紹介という意味も込めて、
Oxford Reading Tree(ORT)という絵本のシリーズの中から
いくつか読み聞かせをしました。
そのあと、子どもたちひとりひとりが・・・、
『自分から』本を選び、
『自分から』席に戻り、
『自分から』ジップロックを開け、
『自分から』本とテープを取り出し、
『自分から』再生ボタンを押し、
『自分から』本を開いて “読む” ・・・という活動に移りました。
多読用の絵本にはテープを付けておりますので、
一人ひとりウォークマンやテレコ(スピーカー付きの再生機)を使って
「音声を聞きながら本を見る」という作業になります。
それでは「読む」と言えないのではないか?
とお思いになる方もいらっしゃるでしょう。
実のところ、私も少しは心配していました。
しかし実際に始めてみると、
明らかに「読んでいる」ように見えます。
側で見ていても、
「読んでいない」とは決して言えない状態になりました。
とはいえ、最初ですから
どこを見ながら音声を聞いているかには、
多くの『段階』があると思います。
どこのページか迷っている人、
絵を見ながら聴いている人、
絵の中でも
直接的にはストーリーと関係がないモノを見ながら聴いている人、
ところどころ文字を見ながら聴いている人、
文字だけを目で追いながら聴いている人、
ところどころ自分でも読みながら聴いている人・・・などなど。
『自分から』取り組んでいるのであれば、
とりあえず「OK!」としました。
そうしているうちに、
「最初にこちらが見るべきところ」というのが分かってきました。
それは、『開いているページと音声が合っているか』ということです。
最初はどこを読んでいるのか分からないということもありましたが、
各ページ、「ページをめくる音」に続けて
「ページ番号」も言ってくれるので、
直ぐに慣れていくようです。
慣れてくれば次第に「読んでいる感」が強くなっていきましたので、
そうなればもう私が「見るべきところ」、
「気にするところ」というのは
違う「段階」に移っていくことができます。
このクラスは初めて顔を合わせる方々ばかりでしたが、
絵本の読み聞かせをしてから、
みんなの表情がやわらかくなっていったように思います。
心の中で、ORTに手を合わせました。(^^)