前回は「面倒になるアレンジ」についてお話しさせて頂きました。
『下書き』と呼んでいますが、要するに第2ステップの
『一文聞いて、一文書き取る』というやり方で、
英英辞典を書き写すときにも同じように
『一文読んで、一文書く』ということです。
書く時は読んだものを見ないので、最初はほとんど書き取れませんが、
『読んでから書く』作業を繰り返すうちに、1語ずつ書き取れるようになっていきました。
一見「書けるようになる」ということが大切な印象を受けますが、
それは「おまけ」のようなものに過ぎません。
そんなことよりも一番重要なことは、
毎回自分で『音読する』ということです。
そうすれば、その文をまるまる書けるようになる頃には、
1回目に読んだときとは『読み方』も変わってきて
『流れるように読む』ことに慣れてきます。
多くの文でこれを行うことで、
「棒読み」が「読み」に変わっていき、
そしてそれが「理解のある読み」や「話す」という行為につながっていきました。
『下書き』の一番良いところというのは
『文としての音のトレーニングができる』ということだと思います。
●前回は、
英語の「“単語”の意味」を『広く』捉えようとする流れが増えてきている、というお話をさせていただきました。
今回からは、いつか言いたいと思っていてなかなか言う機会がなかった
“単語”という言葉について書かせて頂きたいと思います。
英語を勉強していると、「単語が大事」ということは必ず耳にすると思います。
「まずは単語」「単語と文法」など、学校などでもよく聞く言葉ではなかったかと思います。
しかし、単語の「なに」がそんなに大事なのでしょうか?
「スペル」でしょうか?
「意味」でしょうか?
「品詞」や「派生語」、或いは「語源」でしょうか?
「音」でしょうか?
「役割」でしょうか?
「機能」でしょうか?
「それが使われている状況」でしょうか?
“単語” というとあたかも最初の2つぐらいしか思いつかず、
スペルと意味(日本語訳)の練習をしたり、
高校英語などでは「この単語の派生語は何か?」
などと聞かれたりする時代もありました。
英語多読の世界でよく言われるように、
学校英語(受験英語)というのは、
上記の順番を『前から』追って行って “単語”を理解しようとする方法である、
という印象を受けます。
それに対して多読というのは、
上記の『後ろから』順に “単語” に迫っていく方法なのではないかと感じています。
「 “状況” を読み取る力」があれば、
モノの名前なのか動作を表しているのかなど、
その言葉の「役割」などもわかってきます。
そして派生語などは飛ばして「意味」の理解へとつながっていく。
そういうものではないかと感じています。
※「多読」については、以下のページをご覧ください。