“同じものを何度も聞くなんて退屈だ!”と感じる方も多くいらっしゃるので、
あまり強調するのも気が引けるのですが、
英語の発音を良くしよう、流暢に話せるようになろうとしている方にとって、
これは避けては通れない方法ではないかと感じています。
英絶でいうところの「音の書き取り」や「声帯模写のような音読」という作業をする時は、
色々な音源を用意するよりも、ある程度の長さの音源を繰り返し聴くことが
必要になってきます。
そこで、“同じものを何度も聞かなければならない”とネガティブに考えるのではなく、
何度も聴く気がしないような面白くないものは、
「1度聞いたらさっさとやめよう!」くらいの気持ちでいて頂ければ良いのではないか
と思います。
何度聴いても自分としては“苦”ではないもの、
“面白い”とは言えないかもしれないけれども、耐えようとしなくても聴いていられるもの・・・。
或いは、差し当たって自分に必要なもの(例えばTOEICのリスニング・パートなど)。
そういう音源を使って、『体を使った音を操る練習』をコツコツ続けていくことになります。
ただ、そのような“能動的な”姿勢で、“素晴らしいやる気”で続けていくのは、
大抵ムリがあります。
英語を本気で身につけよう、話せるようになりたい、仕事で必要だ・・・など、
そういう状況の人でさえも、長い期間、連続して集中したり、
モチベーションを高くしておくというのは、とってもムリのあることです。
でも、人間なんて、そんなものなのでしょう(笑)。
状況によってコロコロ変わる「こころ」というものを持っています。
残念ながら、いえ、むしろ幸せなことに、
人間というのは長時間ひとつのことが出来ないようになっています。
ですので、同じ音源を毎日のように聴こうと思ったり、
“必ず” 音読しようなどと思ったりすると、
大抵の場合は1日か2日で終わってしまいます。
「三日坊主」まで行ったら、大したものです☆
ではどうするかというと、
できるだけ毎日、『再生ボタンだけは押そうとする』ことです。
意識的に聴こうなどと思わずに、再生ボタンだけは押すようにする。
そうすれば、結果的に毎日聞いていることになりますし、少なくとも耳にはしています。
それでも、その途中で集中して聴く時間が生まれたり、
もっと気が向いたら音読をしていたり、
1日5分、10分でも良いから、そういう時間を続けていけるようになれば、
ゆっくりでも着実に、
自分の「耳」で聴いたものを自分の「口」で “そのまんま” 繰り返すことが
できるようになっていきます。
母国語であれば誰だって、
このようにゆっくりとなだらかに言葉に慣れていき、身に付けて来た筈なのです。
20歳前後の年齢になるまでに、“何兆語”話し・聞き、“何億語”読み・書いてきたか・・・。
莫大な数です!想像するのも恐いくらいの「量」になります。
言葉を身につけるというのは、そういうことなんだろうと、
最近では強く感じています。