前のページでは、『多読3原則』について、
改めてお話しさせていただききました。
今回は1つ目の『辞書はひかない・和訳しない』についてお話させていただきます。
これまでそれほどお話していなかったかもしれませんが、
「多読」というのは大人用の英語学習法として出てきたものでした。
だからこそ『辞書はひかない』が最初に出てくるのだと思います。
それに対して、小学生くらいまでの子どもたちの場合
『辞書はひかない』というのはそれほど問題にはならないのではないかと感じています。
『辞書をひかない』理由に挙げられているものはいくつかありますが、
古川・河手(2003)によると、ひとつには、
「さらさら読めてこそ読書だから」とされています。
読んでいる途中で辞書を引くと、そのストーリーが中断され、
本の内容を楽しむことに “壁” が出来てしまいます。
《引用》
古川昭夫・河手真理子(2003)『今日から読みます 英語100万語』日本実業出版社. P.
母語であれば、
本を読むときに辞書を引きながら読んだりする人はめったにいません。
というと「わたしはやったことがある!」とおっしゃる方もいるかもしれませんが、
実は私も中学生くらいの時にやったことがありました…(涙)
シャーロック・ホームズを読みながら、日本語の二字熟語などを理解したくて、
小説の中に出てくるわからないものを辞書で引いたことがありました・・・。
10分もしないうちにやめました(^_^;)
外国語であっても、同じ「言語」の中のひとつなのですから、
読み方は変えない方が良いようです。
とはいえ、本を読んだ後に、
「どうしても知りたい!」
「いつも出てくるこの言葉って、気になるな~」
と思い出す程度に辞書で確認するのは自然な行為ではないかと思います。
そもそも「辞書」というのは
そういう使われ方こそ、自然な形ではないでしょうか?
“知らない単語”にぶつかったときに必ず引くというものではなく、
「どうしても知りたい単語」、あるいは「理解を深めたい」言葉に出会ったときに、
その言葉を自分の頭の中で『整理する』ために使う道具。
それが「辞書」なのではないかと思います。
『辞書はひかない』の理由は分かりやすいのではないかと思うのですが、
『和訳しない』ということには少し“抵抗”を覚える方もいらっしゃると思いますので、
また次のページで、改めてお話させていただきます。