「サラっと」読んで「ふか~く」わかるというのは、
酒井センセーがおっしゃっていたことですが、
そういう読み方というのが
本来の「読む」という行為ではないか、と思います。
今回は、このコーナーで色々な話をしすぎていたことを反省し、
ガラっと話題を戻して
「SSS多読」のシステム的な話に戻して行きたいと思います。
YL(読みやすさレベル)は0.0から9.0までの数値で、
「本の読みやすさ」を表しています。
SSS多読を創り上げて来た方々や、
実際に多読を行っている中学生から社会人の方々が、
掲示板などで話し合って数値を決めてきたそうです。
私の持っている多読用図書にも
「通し番号」と「YL」を1冊ずつラベルに記入し、貼っています。
本を選ぶときの「参考」にしていただければと思っています。
本の「読みやすさ」というのは
①出てくる「言葉」のやさしさ
②出てくる「文の構造」のやさしさ
③文字の「大きさ」や「行と行の間の広さ」
④イラストや挿絵の量や頻度、レイアウトの良し悪し
⑤読者自身の本の内容に対する思い入れ
⑥読者自身の読書に対するモチベーション
⑦その本の「総語数」
⑧1ページあたりに文字がどのくらいあるか(「まばら度」)
など、さまざまな要素によって変わってきます。
また、ある人にはYL:0.3に感じる本が、
違う人にはYL:0.6に感じることもあるかもしれません。
そういう可能性のある本は、
YLが「0.3-0.6」というように定められているものもあります(笑)
世の中に出回っている英語の本は、
各出版社の独自の基準で独自のレベル分けがなされています。
YLというのはそのレベル分けを統一し、
異なる出版社の本でも「読みやすさ」を比べられるようにしたものです。
そういう意味でYLというのはスゴく面白いシステムではないかと思います。
以前には、
「聴きやすさレベル」ということで「KL」も創ろう!
という声も出てきていました(笑)
多くの本でYLが決められてきたように、
多くの音源にもKLが決められてくれば、
「多読・多聴」にとって、とても良い環境が整ってくるのではないか
と感じます。
SSS式多読では、
YLの低いシリーズから順に読んでいくことを原則としています。
しかし、YLというのは絶対的なものではなく、
同じシリーズの同じレベルの本でも
それぞれ読みやすさが異なることもあるので、
あまり数値にこだわらず、
自分がいま「楽しめているかどうか」という感覚を信じて
読み続けていけば良いのだと思います!