2つ前のページでは、
以前勤めていたフリースクールに通う
16歳の青年の多読についてお話ししました。
彼は7月から多読を始め、
1ヶ月でなんと「1万語」を通過してしまいました!
そして、開始から3ヶ月程で4万語通過いたしました!!
彼の読み方はたいへん素晴らしく、
同じ本を自分で読んでからテープを聞いたり、
私と一緒に音読してからテープを聞いたり、
テープを聞いてから自分で読んでみたり、
気になるところはその本を読み終わってから
絵を見てじっくりと考えたりしています。
つまり、同じ本を2~3回くらい読んでいるということです。
もちろんそれも語数にカウントしています☆
前回はお話できなかったことですが、
彼の多読を見ていて、スゴイ事に気付いてしまいました。
いつも大体1時間くらいの時間を多読に当てているのですが、
同じ時間の中で読む英語の「量」が、
最初の頃よりちょうど2倍、3倍となっているのです。
あまり大きな声では言いたくありませんが、
これは本当にスゴイことです!
しかし、どれほどこれが大切なことか、
なかなか理解できない方も多いのではないかと思います。
同じ時間で読む量が2倍、3倍になっているということは、
読む「スピード」が2倍、3倍になっているということです。
それがどれほど大切なことなのか、
彼が多読をまったく経験しなかった場合を想像すれば、
容易にご理解いただけるのではないかと思います。
1万語読んだ時点でスピードが2倍ということは、
3万語、5万語、10万語・・・と読み続ければ続けるほど、
読める「スピード」が上がっていくということです。
多読をまったく経験していない状態というのは、
その読む「スピ-ド」がなかなか上がらないまま、
単語を覚えたり、構文を覚えたり、
そういった作業に集中してしまい勝ちになってしまいます。
それでは英語を上手くコントロールできないまま、
快適にスラスラと読めないまま、
難しい文章や興味もない文章などを読まされたり、
訳をやらされたりすることになってしまいます。
そんな状況では
「ストレス」が溜まってしまうのは当然です!
どんなに英語が “できる” ようになったとしても
そういった作業は、ただ「めんどくさい」だけ
なのではないかと思います。
言葉を身につけようとしている段階の人にとって、
普段使わないような「難しい単語」の「訳語」だけ
を機械的に覚える作業や、
日本語に訳させようとする作業というのは、
英語を読む「スピード」を上げるためのトレーニング
になるはずがありません。
そんな方法では、
始めた頃の2倍の速さ、3倍の速さになるまでに
どれほどの時間がかかってしまうでしょうか?
そう考えると、
本当に鳥肌の立つような、恐ろしい気持ちになります。
心が苦しくなってきます・・・。
私が高校生だった頃というのは、
こういうレベルにいたのだなぁと痛感しています。
学校や塾などで「しっかり」英語を学んできても、
その程度の「読むスピード」しか身についていなかったし、
その程度の読むスピードでは、
「理解できる幅」も極めて限られたものでした。
英語の文章が読める筈はありませんでした。
ましてや英語の本を1冊まるまる読むなど、
想像もできないことだったということです。
しかしそれも、今にして思えば当然のことだったと思います。