2つ前のページでは、
「語数」についてお話させて頂きました。
今回はその2回目として、
教える側(つまりは英語のセンセイ)にとっての「語数」
というお話しをさせて頂きたいと思います。
「語数」というのは、
接した英語の量を表すためのひとつの「システム」であると
前回お話ししました。
要するに『どれだけ読んだかということを表すための「道具」』です。
誰のための「道具」かと言えば、
やはり本人のための「道具」ですが、
教える側、つまりはセンセイと呼ばれている人たちにとっても、
「語数」という道具を使うことによって得られる効果は、
なかなか良いものなのではないかと感じています。
ひとつは「量」という発想に結びつけることができる
ということです。
これまでの英語教育の “常識” では、
とにかく「単語」と「文法」という発想が強かったのですが、
「語数」という考え方を持ち出すことで、
触れるべき英語の「量」というものに
意識が向かうようになるのではないかと感じます。
2つ目は、学習者の読める「幅」や読む「スピード」を
より正確に見つめることができるということです。
これまでの英語教育では、
どれだけ単語を覚えたか、
どれだけ文法を理解できているか、
どれだけ “上手に” 日本語に訳せるか…
などの事ばかりが注目され、
実際にその人がどういうレベルの文章が読めて、
どのくらいスラスラ読めるのかということに、
あまり注目が集まっていませんでした。
その結果が、大学入試を経ても英語が使えないという状態です。
そして色々な人の語数をカウントしておくことで、
「10万語くらい読むとこういう段階になる」とか、
「30万語、50万語くらい読むと読み方も次第にこうなっていく」、
「○○万語くらいになるとリスニングの方にも挑戦する人が出てくる」
というような『段階』を示すことができるようになる
のではないかと思います。
大学入試に受かる “英語力” だけではなく、
その先の「使える英語」に繋がるための
幾つもの『段階』を示すひとつの目安として、
「語数」というのは「学ぶ側」にとっても
「教える側」にとってもなかなか便利なものになっていく
のではないかと感じています。
語数から見えてくるものというのは、まだまだ未知数です。
英語を身につけよう、
使っていこうとしている人々にとって、
『自信』になったり、
『励み』になったりするためのひとつのシステムとして、
「語数」というものの重要性は大いにあるのではないかと思います。