前のページでは、
以前、多読講座の時間に起きた
「おもしろハプニング」についてお話しました。
その翌週、その子たちは明らかにウォークマンを
「慎重に」使っていました!
それもまた面白かったです。
今回は、最近の「多読Class」で気が付いたことを、
思いつくままに書かせていただきたいと思います。
最近、特に「おもしろいなぁ」と感じたのは、
子どもたち一人ひとりの
「本を読み始めるまでの流れ」です。
多読クラスでは、一人ひとりが
『自分から』本を選んで席に戻り、
本とテープを取り出して「読む」わけですが、
最近ではこの時点で既に、一人ひとりの特徴が出てきています。
ひと通り本の “中身” を確認してからテープを聞き始める人もいれば、
いきなりテープを流して読み始める人もいます。
テープの速度を速くして聴いている人もいれば、
本は開かずテープだけを聴いているという人もいます。
多読のClassでは、
そういう事に “基準” や “標準” みたいなものは作らない方が良い
のではないかと考えております。
「やり方」というのは誰かに規定されてしまうと、
必ず窮屈だと感じる人が出てきてしまうからです。
莫大な量の英語を聴いたり読んだりするための
「方法」(手段)というのは、
人それぞれが『自分から』やっている「やり方」が一番良い
のではないかと感じています。
「自らに由る方法」で行えてこそ、
やる気や集中力も出てくるのではないでしょうか?
そういう状況で読んでいる子どもたちの様子を、
密かに覗いて “観察” するのが、私の役目です。
音声とページが合っているかどうか、
絵や写真を見ながら聴いているかどうか、
たまには文字も見てくれているかどうか、
テープや本の扱いに困っていないかどうか、
本を選ぶ時の「勢い」はどうか・・・などなど。
「見るべきところ」は、他にもまだまだあると思います。
音声とページが合っているかどうかという点に関しては、
イヤホンをしていて外からは聞こえませんので、
後ろから本を覗いてこっそりと読み、
自分が読み終わって数秒してからページをめくっているようであれば、
テープと同じところを読めているということにしています。
最初の頃は、
耳にはめている片方のイヤホンを奪ってでも
“確認” させてもらっていましたが、
あまり「喜ばれる」ことではないので、
最近は上記のようなやり方に変えました。
実際イヤホンを借りて聞いてみても、
違うページを “聴いている” という人は、ほとんどいません。
それでは読書の「ジャマ」をするだけとなってしまいますし、
本当にどこを読んでいるのか分からない時は
声をかけてもらえれば事足りることですので、
求められた時以外はなるべく “干渉” しないようにしています。
一番大切なことは、
子どもたち(大人もそうですが…)が
『安心して読める』ということです。
そういう状況の中で、
大人が読書をしている時のように
『声をかけにくいオーラ』が出ているかどうか。
そして何よりも、楽しそうにしているかどうかということ。
この2つを常に見るようにしています。
これからもっと
「見るべきところ」や
「新しい “評価” のための視点」
というのが出てくると思います。
それは一人ひとり、
多読を実践している全ての人から
学んでいく必要のあることだと感じています。