お帰り寅さんOPロケ地

2020/7/23

「お帰り寅さんOPロケ地」  男はつらいよ

前回のブログ「お帰り寅さんのロケ地」で

最後に少しアップした詳細を今回はご紹介。




2018年11月16日(金)





この日は柴又に用事もあったのだが

朝から天気も良かったので

ひょっとしたら柴又でのロケに遭遇できるかも、

と、少し期待しながら柴又へ向かった。






車で江戸川土手沿いの道路を走っていると

土手の上に十数人の人を発見。




とっさに「あ!ロケ撮影だ!」と直感。




もうとにかく一刻も早く車を停めて

現場に向かわなければ、と焦る焦る。。。



どうにか車を駐車場に停め

土手に上がり、走った走った結構な距離。



やっとの思いでその集団の所へたどり着けたが

あまり急に近づいては怪しまれると思い

そぉ~っと少しずつ、恐る恐る近づいてみた。




すると山田監督を発見!



何かを撮影し終えたようで迎えに来た車に乗って

直ぐにどこかに行ってしまわれた。


撮影隊はまだ残って何かを撮影していた。




最初カメラは新葛飾橋の方を向いていた。

演者の方はいなかったので風景の撮影とは思ったが

何を目的に撮影していたのかは分からなかったので

とにかくカメラが撮っていたと思われる場所を

同じような角度で何枚か写してみた。

映画館では全く気が付かなかったが

今回BDを購入し、何度もロケ地の検証をしている時に

フッと気が付いた。




オープニングでのタイトルバックのこの風景…

自分の撮影したこの写真…

同じだ!


映画と同じようにトリミングして

自作したタイトルを合成すると…


こうなる。

👇 こちらは映画本編の画像

映画の方は多少着色をしているようだ。

そして次のこの場面も

この写真を

同じようにトリミングしてみると…

少し角度は違うが映っているものが同じ

残念ながら次のこの角度は同じようには撮れていない。

ただほぼ同じタイミングでは写している。

画面右側赤い丸で囲っているのが撮影クルー。

全体的にこんな感じ。パノラマで撮影。

撮影隊から少し離れて歩いていることが

お判り頂けるだろう。



寅福の前を歩く山田組の方々。

この中には撮影監督の近森さんもいらっしゃった。

(近森さんは山田監督の右手に立っている方)





ゆったりとした空気の中

ゆっくりと皆さんと歩いて行く。




少し離れていたが、まさかの信号待ち。

ここで離れて待っていると逆に怪しまれると思い

思い切って近森さんのすぐ傍に。

そこからはまさかの一緒になって行動。




はてさて何をしにどこに向かっているのか

と思いながら到着したのは帝釈天。(そりゃそうでしょ。)




重いカメラは別行動のスタッフが車で運んだようで

二天門前で既にスタンバイしていた。

そこに一緒に歩いてきた近森さんも合流。

先程のゆったりした雰囲気とはガラッと変わり

超真剣モードでカメラの位置合わせを始めた。




現場に緊張感が漂ってきた。





後ろを振り返ると、そこには何と山田監督が!

実はこの時撮影したのはこのシーン

皆さんご存知のあのアングル。






これはこんな感じで撮影されていたのだ。

しかも山田監督が直々に最終的なアングルを決めて。




撮影はまだまだ続く感じではあったが

他に用事があったため後ろ髪引かれる思いで

ロケ現場を後にした。





***





しかし…

山田組の方々とこの江戸川の土手を

まさかこうして一緒に歩ける時がくるとは…

2006年、初めてこの江戸川の土手に来たとき

最後の撮影が終わってから10年以上経っていた。

2006年11月6日撮影



この映画シリーズの生まれる瞬間には

もう絶対に立ち会えないと諦めていた。

なぜもっと早くこの映画の素晴らしさに

気が付けなかったんだろう。


過去の写真を見る度に

後悔の気持ちばかりであった。





ここで、この場所で高羽さんがカメラを構え

そして渥美さんが…寅さんがここにいて。

いつも想像するしかなかった。



ロケ地に行って高羽アングルを探す。

そうすることでピンポイントでその場所に立てる。

気持ちや瞬間を疑似体験できる。


※高羽(たかば)アングル

映画のシーンと全く同じアングルのこと。

本当は「たかは」が正しいのだが

山田監督が「たかばさん」とか

倍賞さんが「たかばちゃん」と言っていたことから

私たちも「たかば」となった。

そして、いつの頃からか私たちの間では

高羽さんへの敬意と感謝の意を込めて

ロケ地での撮影ポイントを「高羽アングル」と

呼ばせて頂くようになった。




そうすることでしかその瞬間に立ち会うことはできなかった。




しかし、今回は違う。

この映画の生まれるその瞬間に、

同じ場所に立つことができた。


こんなことが現実に起きるとは…



本当に嬉しかった。

奇跡だった。

そして、至福の時であった。





この時間を生涯忘れない。





おしまい