解読!「第7作奮闘篇」
2010/4/1
「解読!「第7作奮闘篇」」 男はつらいよ
今回の内容は以前解読したお話なのだが
ブログにアップし忘れていたので改めてご紹介する。
解読!
「第7作 ~奮闘篇」
オープニング
「男はつらいよ」の映画で現地の方ご出演で
味わい深いシーンのひとつでもる「第7作~奮闘篇」オープニング
親子の会話シーン。
集団就職で東京へ旅立つ息子との別れの場面、
見送る母親や家族の気持ちを考えると
たとえ会話はわからなくても何となく伝わるものがあり
何ともいえない気持ちになってくる。
でも・・・
一体この親子は本当はどんな会話をしていたんだろう?
・・・で
ちょっと解読にチャレンジしてみた。
先ずは寅のナレーションから・・・
寅
冬、来たりなば、春遠からじとか申します。
その遅い春の訪れが
この北国にもようやくやってきた
故郷を後にして都会に旅立つ
健気な若者達の姿が
この田舎の駅に見られるのでございます。
学生
「心配しないでくんねんかの だんだん帰るんだんが」
(あんまり心配しないでくれよ また帰ってくるから)
母
「そうがっか ほいで頭病みだったんがな 身体に気をつけてかせがねばだめだぞ」
(そうね、でもあんたは頭がすぐ痛くなる子だから身体に気をつけて働かなければダメだよ)
学生
「母ちゃんもまー、あんまり無理しねーでかせがっしゃれ」
(母ちゃんもあんまり無理しないで(畑仕事など)働いてくれよな)
母
「ん・・はぁ~・・・」
母
「ほら、しゃーちんしょがお前に餞別くれるってや。行ったら忘れねーでどーでも礼状出さんばならんど。」
(そういえばしゃー家のところの衆がお前に餞別をくれたんだよ。向こうへ着いたら必ず御礼の手紙を出さなきゃいけないよ。)
※「しゃーちんしょ」とは多分固有名詞のようでよくわかりませんでしたが、この辺りの村ではご近所の親戚一同を「~衆(しょ)」と言っているらしいです。
母
「ポケットよくしまって落とさんよーにしとけ。」
学生
「母ちゃんも・・・」
(声がかぶり解読不可能・・・)
寅
「キミ達ゃー、集団就職かい。」
学生
「はい。」
以下続く・・・。
如何であろうか?
私は新潟生まれだが会話の内容は全くわからずじまい。
で、今回は「越後広瀬」の駅での会話であったので
自分の母親にちょいと協力お願いした。
母の母、つまり私の祖母は「越後広瀬」の近くの
「小出」出身。その血筋の母親なら何とかわかるのではないかと思い
一緒に解読してもらったのである。
私の母も「訛りがきついからハッキリとはわからないが・・・」
としながらも、何とかココまでは解読はできた。
現地の方も現在はかなり標準語に近づいているので
今回の解読は後世にも活かせる貴重な解読(ちょっと大袈裟)
になったのではないかと思う。
失われていく日本の原風景と共に
こういった地方の言葉も共通化の一途を辿って行くのだろう。
昭和の最後を綴った映画でもある「男はつらいよ」は
将来日本歴史のドキュメントを担っていくのかもしれない。
でもきっといつの時代でも「寅次郎」という男は
人々から愛され続けていく存在であるだろう。
それは日本人の本質でもありDNAにもしっかりと
刻み付けられていると思われるからである。