第3回鎌倉芸術祭

2008/11/11

「第3回鎌倉芸術祭」  大船

松竹大船撮影所跡にある

鎌倉芸術館小ホール


今日はその会場で鎌倉同人会主催

『男はつらいよ』

生誕40周年記念

山田監督スペシャルトーク

「寅さんと私」

講演が行われる予定であった・・・・・


ところが・・・・

ところがである。


何とも悲しい訃報である。

山田監督の悲しみを考えるとこの上なく辛く感じる。

何と・・・・

今月の去る八日、

最愛の、そして人生の伴侶である奥様

よし恵夫人が急逝されてしまわれたのである。


山田監督の講演が中止になったこと自体は

とても納得のいかないところではあったが

こればかりは監督の心中を察すれば仕方の無い事と

理解せざるを得ないところである。

御悔み申し上げると共に、

よし恵夫人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。



さて、話は戻って今回のイベント

14:00開演にも関わらず13:00頃には

既に前売り券を買われた方々が

長蛇の列となっていた。


会場係員の不手際もあり、

並んでいる方々の多少の殺気もあったりしたが

特に大きな混乱も無く13:20には無事開場となった。


当日券を買い求めた私は

当然のことながら列の一番後ろへ。


一番前の席を狙っていたが

これもまた仕方がないと諦めて入場。


入り口では何と佐藤利明さんと初対面。

お忙しいと思いちょっとした挨拶のみで劇場内へ。


 (この会場に行く前に「こみや飯店」さんでラーメン餃子を食べてきたばかりだったので

多分ニンニク臭かったと思います。大変失礼致しました。) 


劇場内に入ってみると何とほとんどの方が

劇場の中ほどあたりに陣取り

当初自分が考えてた前方の席はガラガラ状態。


ラッキーである。


迷わず前から3番目の列へ。


その時の劇場内の様子である。


結構な盛況振りである。


進行役の女性より先ず挨拶があり

(財)鎌倉市芸術文化振興財団の理事長である

山内静夫(やまのうちしずお)さんより

今回の山田洋次監督の講演中止のお詫びと

2本目の上映作品の差し替えの説明がされた。

(当初2本目は第38作「知床慕情」を予定していたが

ニュープリント版の手配ができなかったのか急遽

第29作「あじさいの恋」に変更となった。)


14:00より第25作「ハイビスカスの花」がスタート。


初めて観る劇場版はやはり最高である。

そして飛行機を嫌がる寅さんには

何度観ても笑ってしまう。

でもこれがHD版だったら・・・・と

相変わらず思ってしまうのであった。


1本目の上映が終わり15分の休憩後

16:00より

山田組プロデューサーの山本一郎氏による

30分間の講演が始った。

山本氏は現在の山田組には欠かせない人物で

あの「たそがれ清兵衛」に関わった方でも有名である。


今回その山本氏がアメリカで上映された「夕焼け小焼け」での

発見の数々を語ってくれた。


?@観客は日系人だけでなくアメリカ人も多かった事。

?A日本人と同じ箇所で笑っていた事。

?B上映後、劇場のロビーで質問攻めにあったこと・・・・等々


海外での反応が明らかに20年前とは変わってきている

と言う。


それだけ日本が理解されてきているのか

はたまた世界がやっと「男はつらいよ」の映画に

追いついてきたのだろうか・・・・。


これからもっと多く異国の地で

この映画が上映される事によって

その何かが明らかになってくるのではないだろうか。


個人的には人間の本質でもあるこの映画は

単に観られていなかっただけで

どんな機会にせよ観てもらう事によって

それが受け入られるのは当然のことと思っているのだが。


そして山本氏が最後に結んだ言葉・・・・

山田監督は今でも「男はつらいよ」を大切にしている。

今までも色んな映画でそのセルフオマージュのように

「男はつらいよ」を思い出すような

シーンが登場していたが

次回公開予定の映画はこれまた更に「男はつらいよ」を

思い出してしまうような映画ということである。


これは俄然楽しみである。


そんな楽しみな雰囲気を残しながら山本氏の講演は

粛々のうちに終わった。


そしてこの後は・・・・


寺男の源公を好演された俳優

佐藤蛾次郎さんの登場である。


そしてサプライズ!


何と佐藤利明さんがホストを務められての

スペシャルトークショーとなった。


これは非常に会場も盛り上がった30分間となった。

佐藤さんのトークはまさにテレビ番組「私の寅さん」のまんま。


急遽依頼され登場となった佐藤さんだったが

とても安心して見る事ができ楽しかった。

会場の雰囲気も最高に良かった。


途中、蛾次郎さんが上着を脱いで

中に着ていたダボシャツを披露。


ご存知、渥美さんより頂いた

実際に「ハイビスカスの花」で着ていた

正真正銘の本物衣装のダボシャツである。

これは常々蛾次郎さんがお話されているのでご存知の方も多いはず。


お話は・・・・

第8作のみ出演が無くクレジットのみだったこと、

第5作はカツラだった事、

撮影所で皆に結婚を祝ってもらったり

結婚写真を撮ってもらったのは実は篠山紀信さんだったこと、

撮影中に酒を飲んでしまい山田監督に怒られたこと・・・・等々


渥美さんとの思い出話も交えながら

とても内容の濃い30分間であった。

これだけでも今回行った方々はラッキーだったと思う。


楽しい時間と言うのはホント

あっと言う間に終わってしまう。


会場に質問を求めたり

とても一体感のあるトークショーであった。

この後また小休憩を挟み

2本目の上映となるのだが

「あじさいの恋」を観ることなく

残念ながら帰宅予定時間のため、後ろ髪引かれる思いで

会場を後にした。

もうすっかり外は真っ暗である。

17:00

サラリーマンのラッシュにもまれながら

2時間以上かけ帰宅。


充実した1日であった。



それにしてもこれで3回目の大船訪問。

しかも1ヶ月位の期間でのこと。


一体どうしちゃったんだろう。


続けば続くものである。



-----おわり-----