中棚温泉

島崎藤村ゆかりの宿、正に「千曲川のスケッチ」そのものを感じさせるような宿です。懐古園のすぐ裏手の自然豊富な丘陵地に離れ風に点在しています。なぜかヤギと黒豚が飼われています。

かつては鉱泉として営業していたのを、昭和63年にボーリングによる温泉掘削をした模様です。地下600ｍからの湧出とあって、アルカリ性ではありますが、ボーリング温泉にありがちなヌルヌルザワザワ感はなく自然に近い泉質に感じました。島崎藤村の「初恋」に因んで「初恋風呂」と称して浴槽にはりんごを浮かべてあり、さて効用はいかに？風呂の作りも開放的で、丘陵地をうまく利用し見晴らしも良く、源泉40度の加温していない露天風呂に長時間浸かっても飽きさせません。

食事は最も古い大正館の食事処でいただきます。予想通り！島崎藤村が好んだ濁り酒の食前酒からスタートです。郷土料理が並んだ後、最後はお釜で炊き上げたご飯で〆です。宿泊プランに応じて別注料理もあるようですので、選択して印象に残る旅行にするのも一手です。

今回は最も格安な大正館に宿泊しましたが、ちょっと設備面に難があり、より近代的な平成館が割高ですが快適のようです。（2009/12/11）