宮城県

峩々温泉

白石城(白石市)

峩々温泉(再訪)

身勝手紀行では北に足が向くことが何故か多いのです。湯治文化が残っているからでしょうか、野趣豊かな露天風呂が多い?雪見風呂?温泉情緒?それとも混浴がお好き?・・・等々。東日本大震災に負けるなと、不謹慎にもゴールデンウィークに宮城県に入湯してまいりました。

みちのく公園(川崎町)

峩々温泉全景

今回再訪しましたのは峩々(がが)温泉です。地震による道路復旧や停電のため4/20まで休業を余儀なくされたそうです。連休中の予約も数週間前でも空がある状態でした。通常では考えられません。さすがに最終的には満室になった模様です。東北がんばれ義援金プランがありましたので、利用いたしました。

青根温泉や遠刈田温泉より更に蔵王山近くの谷間にある一軒宿です。かつては湯治場として栄え、近年改修を重ね、秘湯の雰囲気を残しつつ近代的な旅館へと変貌しました。数年前の改築で大浴場は源泉近くの露天風呂付近に移され、大浴場のあった場所が食堂になり、峩々の由来となった柱状節理の険しい崖や渓流を眼前にしながら食事ができるようになりました。

朝食は和洋選択できます

崖っぷちに建つ「天空の湯」

「天空の湯」と称する高台の眺めの良い場所に貸切風呂が新設され、夫婦同伴で皆利用し、一番人気となっていました。渓流に近い露天風呂へも大浴場から直接行けるようになり便利になりました。ただし混浴ですのでご注意を。 ただ少し残念だったのは、「あつ湯」が「ぬる湯」との間仕切りがなくなり天井も低く白壁となり、往年の純木造で天井が高く、行燈の薄明かりのみの大変落ち着く空間であったのと違い、明るくオープンな空間になってしまったことです。「あつ湯」と云えば浴槽の横に木枕で横になり、竹筒で熱い湯を少しずつ何度も(1日百回掛けると今でも掲示してある)掛ける湯治スタイルです。かつては時を忘れ1時間ぐらい平気で寝そべったのに、ちょっと落ち着かないのです。好みの差でしょうか。それとも「あつ湯」を利用する人が減ったのかも。

混浴露天風呂(大浴場から行けます)

大浴場に近接した半露天風呂

山奥にも関わらず、かつては塩釜港直送の新鮮な魚も頂けたのですが、さすがに震災直後でそれは望めませんでした。しかし、味付けは若干濃いものの、旬や地の食材を使いなかなか楽しませてくれます。最後はホッチャリと炊けた白米と芋煮が幸せ感を満たしてくれます。(2011/6/1)

「ぬる湯」

明るく開放的になった「あつ湯」

峩々温泉

団体・宴会・カラオケ等を排し、最低限の接客サービスに止め、健康的で安心な手作りの食事を提供し、もちろん温泉は本物を味わっていただく。これが峩々流の経営方針です。部屋にある空の冷蔵庫を自由に使って下さい。敷地内に涌いている岩清水を入れておきます。朝食後、この岩清水で入れた水出しコーヒーをサービスしています。夜は博物館行き寸前の四駆ボンネットバスで蔵王山頂へお送りし星空ウォッチングをしていただけます。

宿泊棟

送迎用 四駆ボンネットバス

入浴方法は浴槽横の板敷きの上に木枕を枕に寝そべって、竹筒で湯をすくってかける「かけ湯」が基本です。湯を掛ける度に次第にとろけていくかのようです。1時間などあっと言う間に経ってしまいます。他にも川原露天風呂(源泉に近く泉質よし)、手造り露天風呂「六治の湯」、檜風呂「東の湯」などがあり飽きさせません。温い(40度)湯が湧きだすところには「足湯」を作ってみました。ちょっと時流に乗りすぎたかな。

改築前の旧「あつ湯」

旧「混浴露天風呂」

宿に成り代わって宣伝するとこんなところです。「星空ウォッチング」「足湯」「六治の湯」などは6年前にはありませんでした。自炊湯治棟や家族風呂は現在使われていないようでした。料理はやや量が多くなり味が若干濃い目になったかの様な印象ですが、自分の嗜好の変化かもしれません。簡素ではありますが、少しずつ手を加えて成長する峩々温泉です。今後が更に楽しみです。(2003/11/1)