薬師温泉

「かやぶきの郷 旅籠」

本白根山(草津町)

薬師温泉「かやぶきの郷 旅籠」

群馬県前橋市から草津を結ぶ草津街道(R406)を行くと、草津への玄関口長野原町の少し手前に浅間隠温泉郷があります。浅間隠山を源とする温川沿いに、温川温泉、鳩ノ湯温泉、薬師温泉のそれぞれ一軒宿が点在する静かな山村です。今回は最も奥に位置する薬師温泉で、かつてはここも鄙びた一軒宿であったようです。

有料で日帰入場も可能

なんと本物の結婚式が中庭で

そんな寒村に忽然とテーマパークのごとく現れたのが、かやぶきの郷「旅籠」です。東北各地の古民家を移築し、数々の骨董品を展示し、江戸時代へとタイムスリップさせてくれます。骨董品の数も半端でなく、武具・蒔絵・古伊万里・郷土玩具の数々、和箪笥に至っては日本中すべての箪笥を集めたのでないかと思うほど、ずらりと回廊に並べられています。壮観をとおり越して、驚嘆、呆れ、食傷・・・。ここまで来れば、もはや趣味の領域ではない。と思って調べると、なんと、経営主は産業廃棄物処理業者ではないですか。事業と趣味との合体の成せる技なのでしょうか。群馬県川場村にも同様な温泉宿「悠湯里庵」(ゆとりあん)を経営しております。

古民家風で広々とした造り

薬草を入れて薬湯風呂

さすがに宿泊棟は茅葺きではありませんが、古材をふんだんに使い古民家風となっていて、温泉ではありませんが、半露天檜風呂付もあります。ゆったりとして凝った造りで楽しませてくれますが、段差があったり、防音が悪かったりして、その点は要注意です。もちろん、部屋にも古箪笥がずらりと並んでいます。

夜は囲炉裏を囲んで

朝食もかやぶきの別棟で

結婚式もできるそうで、なかなか趣向が凝らしてあり、ちょうど私も遭遇しました。親戚や友人と共に、泊りがけの結婚式もよろしいかと。ただしドレスは場違いか?それともミスマッチでより新鮮かも?

夕食は囲炉裏で会席料理と炭火焼きや鍋で楽しませてくれます。朝食は和洋選択できる気の使いようです。珍しいほどではないですが、群馬名物のこんにゃくやうどん等、郷土色もあり、量質共に十分満足いく内容です。

寝湯、ゲルマニウム温浴もある

やや人工的だが快適な半露天風呂

温泉は自家源泉で、湧出口に設置したカメラで映像が見られるようになっています。浴場は温川に面しており、半露天風呂は滝見乃湯と称していますが、堰堤を流れ落ちるのが滝?誇大広告?と思ってしまいます。でも、渓谷美を眺めながらの露天は最高です。ただし、「釣り人が通ることがあります」との注意書きがあり、女性はドッキリです。(2013/10/26)