村山地方

かみのやま温泉「名月荘」

立石寺「大佛殿」

かみのやま温泉「名月荘」

予約が極めて取りにくい温泉旅館と言えば、今人気の湯布院や黒川温泉が思い浮かびます。本州では、長野県の仙仁温泉岩の湯です。乳頭温泉や銀山温泉もかなりの人気です。ここもその一つです。

上ノ山温泉は山形市の南西側に隣接する上山市の彼方此方に湧き出している温泉の総称です。上山市郊外の丘陵地に位置する葉山地区は、数軒の旅館が集まり小さいですが温泉街を形成しております。中心部には今流行の足湯も作ってありました。名月荘は温泉街のはずれにあり、アカゲラが飛んでくるような裏山を擁し静かな環境にあります。

すべてがゆったりと作ってあり、和洋をうまく折衷した滞在型のリゾート温泉旅館といったところです。コンサートがしばしば催される離れの談話室、珍しい調度品の数々、それらを展示販売する売店、丸こんにゃくやジュース等のサービスがある湯上り休憩所、子供から大人まで楽しめる本がそろった読書室、ワインや地酒を揃えた酒蔵等、実に優雅な気持ちで過ごせる空間作りがされています。

大浴場や家族風呂にはタオルが備わっているのは、風呂の行き帰りに手ぶらでこれらの施設を利用できるうれしい配慮です。部屋にはコーヒーメイカーや手作クッキーが用意されたダイニングとミニキッチン、テラスと専用に近い庭園が備わっています。

料理は部屋に一品ずつ運ばれ、出来立てをいただけます。一流割烹並のレベルの料理がでますが、ちゃんと郷土色豊かな品も用意されています。メニューも一部選択制となっていて、これまたうれしい配慮です。朝食も和洋の選択制となっており、これ以上の気配りはないといったところです。

さて、私流の採点表ではどうなるでしょうか。得点は満点(26点)近くの24点で、今までの最高点となりましたが、料金を相殺するとプラス3点となり、上位を脅かすには至りませんでした。もちろん「また行ってみたい旅館」です。実際には26点以上のサービスかもしれませんが、必要十分な採点項目のみとなっているため、26以上にならない仕組みなのです。(従って休前日4名で1人26,000円ですと、満点でも相殺されて総合零点となってしまいます。)日頃上品な生活をしていない私にはちょっと過剰サービスと感じるところがあり、そこを削って、もう少し料金を安くしてくれればと考えてしまいました。

満点でないのは風呂のみで、非常に快適で標準以上なのですが、一部循環しているのです。源泉も十分投入しているらしく、不潔感は感じない循環でしたが、やはりかけ流しの魅力には及びません。贅沢な注文かもしれませんが、これで風呂もすばらしかったら間違いなく日本一の温泉旅館です。(2004/11/17)

上山城(模擬天守)

蔵王山も近い