最上地方

肘折温泉「元河原湯」

肘折温泉街(最上郡大蔵村)

肘折温泉「元河原湯」

肘折(ひじおり)温泉は山形県中央部にある月山の北東約15kmに位置し、内径約2kmの肘折カルデラの中にあります。(気象庁に活火山「肘折」として登録されています。)新庄市からのR458のトンネルを抜けると、一気に100m近く下ることからも、地形がうかがえます。外輪山から噴火口跡に下りる訳です。下り口には肘折希望(のぞみ)大橋が昨年末に開通し、土砂災害による迂回が必要なくなりました。近くには黄金(こがね)温泉、石抱(いしだき)温泉があり、合わせて肘折温泉郷と称しております。

ループ状の「肘折希望大橋」

昔懐かしい温泉街風景

グルグル回って温泉街に降ります

3階建て以上が軒を並べて

近くには最上峡舟下りや新庄市があり、通常は山形市・天童市方面の観光と兼ねる場合が多そうです。銀山温泉や天童温泉と組み合わせてはどうでしょう。日本海側からだと、日本海東北自動車道が延長されつつありますので、湯野浜温泉に泊まって鶴岡市・酒田市や出羽三山を観光するのも悪くありません。出来得ることなら死ぬまでに、渡り鳥や固有種の多い「飛島」にも寄りたい。これじゃあ、休暇が何日あっても足りません。

致道博物館(鶴岡市)

新庄まつりの山車(新庄市)

「肘折」とは何とも物騒な呼び名で、大抵まことしやかな由来が語られるものですが、語源には諸説ありますので、ここではあまり触れないでおきましょう。「上の湯」、「疝気湯」、「河原湯」と共同浴場があり、りっぱな日帰り施設として「肘折いで湯館」と「カルデラ温泉館」もあります。狭い路地を挟んで、土産屋や湯治客も受け入れている小規模な旅館がひしめき合っています。冬季以外は朝市も行われ、名物となっております。輪島の朝市のように観光客向けでなく、湯治客の朝食用ですので、寝坊すると終わってしまいますのでご注意を。

豪雪に負けない巨大なこけしがお出迎え

鉄分で茶色掛った重曹食塩泉

肘折温泉=湯治場とのイメージがありましたので、各旅館が近代化されているのには驚きました。今回お世話になった「湯宿 元河原湯」も同様で、一部鉄骨4階建てで最上階に展望風呂があるのでした。どこも敷地が狭いので建物を上へ上へと伸ばしています。屋上に無理やりと言っては失礼ですが、露天風呂を造ってしまった旅館もあります。湯量が豊富で、久々に循環していない新鮮なお湯に出会え、幸せ感に浸ってまいりました。

食事処または別室で夕食

眺望が効く一人用の角部屋

食事は、味付けが若干濃口ですが、なかなかのレベルで湯治場と云うイメージが払拭されます。特に山形米「つや姫」の美味しさにはびっくり、魚沼コシヒカリを超えたと思うほどでした。以前ある会合で山形県知事が熱心に宣伝していたのが頷けました。馬刺しも身がしっかりとして美味、岩魚の田楽も塩焼きより良いではないかと。今度は山菜の季節に是非再訪したいと思わせるのでした。(2014/2/27)