秋田県

須川温泉「栗駒山荘」

栗駒山・川原毛地獄

須川高原温泉源泉(岩手県一関市)

須川温泉「栗駒山荘」

大手旅行会社ウェブサイトの口コミで東北地区上位にランキングされる温泉宿です。それが、冬季休業で第三セクターの運営と言いますから驚きです。普通はサービスが悪いのがお決まりですが、何と!なかなかの人気で予約が取り難い宿になっております。秋田・岩手・宮城三県にまたがる栗駒山の中腹で、登山口にもなっている秋田・岩手との県境に湧く温泉です。源泉湧出地は岩手県側の須川高原温泉になります。栗駒山荘はすぐ隣の秋田県側に建っており、そちらから引き湯しております。

栗駒山も御多分に漏れず立派な火山、現在噴火警戒レベルは対象外ですが、中腹には地獄谷や、昭和19年に水蒸気爆発で出来た昭和湖もあり、まだまだ現役続行中と云えます。お陰で付近は温泉の宝庫で、泥湯温泉、川原毛地獄等や、地熱発電所もあります。須川温泉はpH2の酸性泉が毎分6000リットル自然湧出していると云いますからすごい。福島県岳温泉でご紹介しましたが、pH3未満の酸性泉は酸ヶ湯、後生掛、草津、箱根大涌谷等と意外と少ないのです。正に火山の恵みです。

昭和19年生まれの「昭和湖」

湿原もある変化に富んだ登山道

荒涼とした「川原毛地獄」

鄙びた温泉街「泥湯温泉」

岩手県側の須川高原温泉の裏手には、溢れ流れ出る源泉があり、それをそのまま利用した足湯もあります。登山道を少し登ると小さな小屋に蒸し風呂の一種「おいらん風呂」があります。酸ヶ湯温泉にはベンチの下からでる蒸気で臀部を温める、不妊に効くと云われる「まんじゅう蒸し」がありますが、こちらは横になって温めます。余談ですが、津軽では女性のある部分を「まんじゅ」と言いますので、青森県津軽地方へ行かれた際にはご注意下さい。

須川高原温泉(岩手県)の源泉

秋田県側の栗駒山荘

須川高原温泉は湯治部もある質素な温泉宿ですが、栗駒山荘は立派なリゾートホテル風です。峠の高台に建っているため、天気が良ければ部屋や浴場から鳥海山に沈む夕日を眺めることができます。売店も充実していて、秋田・岩手両県の土産がずらりと並んでいます。ただし、日帰り入浴も積極的に受け入れているため、残念ながら日中は大混雑です。

露天風呂からの展望がすばらしい

大浴場からも展望がききます

ホテル形式の快適な部屋

西向きに大きな窓を設えてあります

食事は展望の良いレストランで、山奥で季節営業とは思えないレベルの高い料理が味わえます。郷土色は若干薄くなるかも知れませんが、焼き魚は海の幸(甘鯛の包み焼)と山の幸(岩魚の翁焼)から選択できる気の使いようでした。

メイン料理は選択制

夕食・朝食とも展望の良い食堂で

観光はやはり栗駒山登山(標準で登り2時間程度)か栗駒山周辺の散策がお勧めです。秋田県側へ降りると、ちょっと距離がありますが「角館」「田沢湖」「乳頭温泉郷」等があります。岩手県側ですと、「平泉」や「厳美渓」「猊鼻渓」が比較的近くて便利です。(2015/11/1)