栃木県
奥鬼怒温泉郷「手白澤温泉」
板室温泉「大黒屋」
大谷資料館
大谷資料館(宇都宮市)
奥鬼怒温泉郷「手白澤温泉」
【番外編】歩いてしか行けない温泉宿③
また行ってまいりました。憧れの、究極の、生きている内に一度は訪れたい秘湯、言い方によってはただ不便な普通の温泉ですが、それでもついつい行きたくなるのです。
奥鬼怒(おくきぬ)温泉郷は尾瀬沼と日光との中間辺りの群馬県との県境近くにあります。入口には地震災害で廃業した女夫淵(めおとぶち)温泉跡地、そして奥鬼怒四湯(八丁湯、加仁湯、日光澤温泉、そして手白澤(てしろさわ)温泉)があります。奥鬼怒スーパー林道が、奥鬼怒温泉郷を通り尾瀬沼の群馬県側入口の大清水まで通じています。女夫渕から大清水までは、宿の送迎や工事車両等の許可車両のみとなります。八丁湯と加仁湯はマイクロバスでの送迎がありますが、日光澤と手白澤温泉は送迎なしですので原則徒歩となります。
【八丁湯】何故かログハウス
【加仁湯】りっぱな大型旅館
【日光澤温泉】山小屋だが大きい
【手白澤温泉】小さいがこぎれい
一番奥の日光澤温泉は山小屋ですが、メインルートからちょっと外れている手白澤温泉は6室だけの小さな一軒宿です。看板にはヒュッテとありますが、温泉・建物・料理は、旅館を名乗るのに十分な内容です。なんとテレビがありませんので、暇つぶし用の品をお忘れなく。幸い無線LANが通じておりますので、ネット世代は心配無用です。問題はと言うか、メインイベントと言うべきはアクセスですね。
お目当ては高層湿原「鬼怒沼」
遊歩道も結構アップダウンあり
入口の女夫渕温泉跡から遊歩道を2時間以上の歩行が必要です。登山が目的なら、高層湿原の鬼怒沼まで足を延ばすパターンが人気です。尾瀬や日光方面から縦走することもできます。登山や渓流釣りの後に温泉は最高ですが、帰りも2時間程度歩く必要がありますので、しっかり汗をかいてしまいます。
吹抜けと床暖房で快適
割高ですが一人でも泊めてくれます
宿は鉄骨平屋建てですが中央が吹き抜けになっていて、廊下や食堂・各部屋玄関等が明るく開放的です。夏でも夜は冷え込む位で、湯量豊富な温泉による床暖房になっていました。食事は、ちょっとお洒落な居酒屋風の食堂で、薪ストーブを囲みながら和洋折衷料理をいただきます。大変丁寧に調理がなされていて、黄金律「ご飯がおいしい処は料理もおいしい。」を、こんな山奥で確認できるとは思いませんでした。
前菜だけでお酒がすすむ
岩魚の大きさに圧倒され、この後肉料理
温泉は湯の花が浮く弱酸性硫黄泉で、まったりと肌にやさしい感じです。露天風呂も併設されていて、渓谷を眺めながら入浴できます。日帰り入浴不可ですので、静かにゆっくりと堪能できるのがありがたいです。秘湯好みが唸らされる温泉宿ではないでしょうか。今度は是非雪道を歩いて、雪見風呂といきたいものです。当分、秘湯通いは止められそうにありません。
ちょっと熱めの内湯
長湯ができる温めの露天風呂
脱衣場は踊れるくらい広い
洗い湯も源泉掛け流し?
観光は日光周辺や鬼怒川温泉・川治温泉等がありますが、大谷石を切り出した跡地を見学できる大谷(おおや)資料館に寄ってみました。撮影の舞台や報道番組に度々登場していますので、なかなかの人気です。中は通年で10度前後ですので、夏は皆さんブルブル震えながら見学しています。薄手のダウンを着てちょうど良いくらいです。 (2015/8/1)
「大谷資料館」(宇都宮市大谷町)
幻想的な地下空間が広がる
板室温泉「大黒屋」
板室温泉は温泉や自然、遊興等が整ったリゾート地である那須高原の一角にあり、那須温泉卿の中では比較的静かな温泉街です。板室温泉にあって「癒しとアート」を標榜する「板室観光ホテル大黒屋」は、嘘偽り無く期待に応えてくれました。
部屋のダイニングでいただく少量多品目で薄味な食事、初めから敷かれている布団、空っぽの冷蔵庫、13時のチェックイン、各部屋に面しオブジェを配した明るく広い庭園、那珂川が望める露天風呂、壁に黄土を使った低温サウナのアタラクシア、こぢんまりとした檜風呂、露天で囲炉裏を囲みお茶がいただける庭園喫茶、数々の展示物、ビジネスルーム、図書室等です。どこまでサービスし、どこまでセルフサービスでよいか、どの辺りからが過剰サービスなのかを見極めていると云えます。正に長期滞在静養向きです。強いて欠点を探すとすると泉質が淡いことと浴室や施設が木造建築でないことでしょうか。(2002/9/25)
明るく開放的な大浴場
露天風呂
檜風呂
低温サウナ
いたるところにあるオブジェ
お盆ごと運ばれる食事