上越

笹倉温泉「龍雲荘」

蒲原温泉

春日山 林泉寺(上越市)

笹倉温泉「龍雲荘」

近くの焼山温泉と共に自称「糸魚川の奥座敷」と言われております。「〇〇の奥座敷」と言われるとついつい行ってみたくなるのは、私だけでしょうか?それとも、玄関から裏口が見えてしまう奥座敷の無いような家に住んでいるからでしょうか。このコーナーでご紹介した中から奥座敷と呼ばれている温泉地を北から挙げてみましょう。繋温泉(盛岡)、磐梯熱海(郡山)、東山(会津)、別所(上田)、黒川(熊本)、由布院(別府)などです。便乗して地元、湯涌温泉(金沢)を宣伝しておきます。

糸魚川市から車で約30分、焼山・火打山の麓

龍雲荘は20数年ぶりの再訪となり、記憶は朝食で出された温泉で炊いたご飯くらいで、公共の宿みたいな印象しかありませんでした。(やっぱり食い意地が張っている?)調べてみると、工場への給電目的の発電所を運営する会社の保養所であったそうで、なるほど合点です。今ではりっぱな旅館として営業しております。発電をしているのだからオール電化か?と思いきや、そうでもなさそうです。

大浴場「龍雲の湯」

併設の露天風呂

千寿荘展望風呂

信楽焼陶器壺風呂

温泉は炭酸水素ナトリウム(いわゆる重曹)が濃厚で、ヌルッとして大変温まり肌に優しい泉質です。「効能豊かな美人の湯」と宣伝しております。美人に出会えたかはともかく、しわしわの爺でも少しは美肌になった気になりました。

日帰り客が多い千寿の湯

適度に仕切られた食事処

お酒がすすむ夕食

野菜豊富な朝食

食事は庭園や遠くの山々を望める食事処でいただきます。冬は、アンコウ鍋、ベニズワイガニ、タラの白子などの日本海の幸が並びます。糸魚川市には五つの酒蔵があり、先日の大火で全焼した「加賀の井」以外は宿でも味わえました。酒が嫌いな私のお気に入りは、宿へ行く手前の早川沿いにある「猪又酒造」の「奴奈姫(ぬなひめ)」です。伝説の奴奈川姫にあやかり命名されたそうです。

芳醇な味わい「奴奈姫」(猪又酒造)

フォッサマグナミュージアム

糸魚川市と言えば、ヒスイ、フォサマグナ、糸魚川静岡構造線、塩の道、ジオパーク、高浪の池、雨飾山、明星山など、少々地味ですが結構見どころがあります。フォッサマグナミュージアムも意外と人気があり、あなたも見終わったころには地質学者気取りになれるかもしれません。(2017/2/1)

蒲原温泉(休業中)

長野県小谷村と新潟県糸魚川市に被った平成7年7月の姫川大洪水により、国道や大糸線が寸断されました。(と言うより完全に流されてしまいました。)その翌年の12月には復旧工事中の作業員たちが蒲原沢の土石流によって流されるという惨事が起きました。(災害碑が道路脇にあり、姫川や蒲原沢を展望できます。)

姫川の水源(春にはカタクリ等の群落で有名な姫川源流)は白馬村で小谷村・糸魚川市と流れ込むのですから、それ自体は大きい川とは言えないのかも知れません。しかし白馬連峰からも流れ込むので一気の水量が増えて度々水害を引き起こしております。

旅館部のみ辛うじて残った

姫川によって削られた山腹

国道沿いの慰霊碑

糸魚川市と小谷村の県境で国道148号線沿いにある蒲原沢(がまはらざわ)のすぐ脇にあったのが蒲原温泉です。(蒲原沢の新潟県側です。)当時の大洪水により浴場や露天風呂、源泉等が流されてしまい、現在旅館部であった建物が残っているのみです。

かつては姫川の河原に下りることができ、そこで手掘りで自家製の露天風呂が楽しめました。ご主人の手料理が美味しい家族経営の小さな宿でした。今でこそりっぱな国道が脇を通りますが、正に秘湯の一軒宿でした。当時は秘湯ブームの走りでもあり、若い女性のグループや若い男性の一人旅などでにぎわっていました。

経営者の幼い子供たちがNHKのセサミストリートを見ていたので何と高尚な家なのだろうと思ったのですが、実はBSしか写らないのでした。それくらい山間のひっそりした所です。朝は早立ちするので弁当を頼んだら、朝食のメニューと全く同じ手のかかる料理を夜の内に用意した頂いたこともありました。(2004/2/6)