中越

栃尾又温泉「宝厳堂」

奥只見湖遊覧船

清津峡温泉「清津館」

清津峡トンネル

逆巻温泉「川津屋」

貝掛温泉「貝掛温泉館」

清津峡(十日町市)

栃尾又温泉「宝厳堂」

新潟県魚沼市の旧小出町から、福島県との県境にある秘境、奥只見ダム・銀山平を結ぶ、長―くて恐―いトンネルで有名な奥只見シルバーラインがあります。小説・映画「ホワイトアウト」の舞台にもなり、黒四ダムとそれに至るトンネルにも匹敵するかのようです。ダム建設のために造られたトンネルと云う点も共通しています。現在は無料で一般車に開放されていますが、冬季通行止めですのでご注意を。新緑や避暑、紅葉にと、是非四季を通して訪れてみたい場所です。スキー場もありますが、なんと豪雪のため1~3月中旬はお休みです!?

日本有数の怖~いトンネル

奥只見湖遊覧船「ファンタジア号」

客席も凝ってます

雰囲気を盛り上げてます

煙突?もあります

ダム側の船着き場

船着き場へのスロープカー

奥只見ダムと奥只見湖

温泉街入口

宝厳堂の外観

そのシルバーライン入口近くにある大湯温泉街の更に奥に、栃尾又温泉があります。もっとも老舗の自在館、そして神風館と宝厳堂の三軒の旅館からなる秘湯です。昔からある湯小屋は「したの湯」(安易なネーミングの通り河原に降りた所にある)と称して、自在館からは建屋から直接行けますが、あと二軒は一度玄関を出ることになります。もう一つの「うえの湯」は、バブルの頃に建てられたと思われ、現在は使用されていないクワハウスの浴槽の一部を流用したものです。近代的で快適ですが情緒には欠けます。

この二か所の共同浴場を男女入替制で3軒の旅館が使っています。(自在館には別に旅館専用の浴場があります。)日帰り入浴を受け入れていないのがせめてもの救いですが、特に「したの湯」は時間帯によっては、混雑必至です。クワハウスを建てるくらいだったら、「したの湯」を改築して大きくした方が良かったと、誰かは知りませんがきっと悔やんでいることでしょう。いや、誰も反省してないのかな?

共同浴場「したの湯」

共同浴場への階段通路

クワハウス跡の「うえの湯」

桐の床で素足で歩いても冷たくない

源泉は37℃のラジウム泉で、入ると少しひんやりするくらいです。新潟県の貝掛温泉と同じく長湯はできるのですが、湯量がさほど多くなく浴槽も小さめなため、混雑時は少々窮屈な思いをします。旅館に温泉で読めると称して、プラスチック製の本が置いてあり、読書しながら長湯はいかがでしょうか。私はついうとうとと居眠りしてしまい、危うく溺れ死ぬところでした。ご注意を?

朝食のご飯がおいしい

旅館は全部で3軒、「自在館」

今回お世話になった「宝厳堂」は、古い3階建て旅館を実にうまく改装し、快適な空間を演出しています。廊下は桐の板を敷き詰め、裸足で気持ち良く歩けるようにしてあります。今流行の畳敷きより良いじゃありませんか。食事は田舎料理と称していますが、家庭料理にしてはなかなかのレベルです。地の食材を中心とした、心のこもった手作り料理がいただけます。丁寧に少し柔らかめに炊いたご飯のおいしさは、やはり魚沼コシヒカリが№1であることを再認識させてくれます。売店でそのお米を販売しているのも頷けます。

食事の量やサービスによって宿泊プランが選択でき、かつ、部屋も画一的でなく人数に合わせて用意してあるため、人数による料金差がなく、一人旅や少人数にとって優しいシステムとなっています。平日にじっくりと、食事の量を落とした湯治プランで連泊したいと思いました。余談ですが、人数による料金差や、平日と休前日・連休との料金差が小さな旅館は、サービスに見合った適正価格の良心的な旅館であることが多いのです。(2012/9/1)

清津峡温泉「清津館」

清津川は新潟県湯沢町の群馬と長野との県境、苗場山山系を水源として中里村で信濃川に合流します。R17沿いの上流部分には、二居ダムとカツサダムの標高差を利用した揚水式発電所としては日本一の奥清津発電所があり、見学もできます。その中流部分、湯沢町と中里村との境辺りは渓谷が深く切れ込み、日本三大渓谷の清津峡と呼ばれるところです。

特に中里村からの入口付近は、見事な柱状節理からなる狭く深い渓谷美を見せてくれます。遊歩道は落石事故により通行止めとなり久しく、その代わりに有料のトンネルが完成しました。トンネルの途中と終点に展望室があり、渓谷美の一部を垣間見ることができます。遊歩道を散策できた人は大変幸運であったと言えます。

清津峡(トンネルからの眺め) トンネル展望室

そのトンネルの入口にあるのが清津峡温泉「清津館」です。豪雪地帯の秘境とは思えない立派な建物で、浴場はあまり展望が利かないものの2Fに造られていました。食事も田舎と思えない上品にしつらえてありました。2004年に河原沿いに露天風呂ができたようです。(2003/9/12)

逆巻温泉「川津屋」

新潟県津南町から秋山郷へと向うと、河岸段丘で有名なだけあって突然の急坂が数箇所あります。それを超えると次第に中津川渓谷が迫ってきます。いよいよ新潟県側の秋山郷です。道が渓谷を縫う様に進みだすと、渓谷の左岸中腹にへばり付いて建っている逆巻(サカサマキ)温泉「川津屋」の建物が見えてきます。

国道から外れ新潟「橋の50選」の一つ「猿飛橋」を渡り逆巻集落へと向います。橋からは狭まった渓谷の断崖絶壁が望めます。紅葉と新緑の時季は必見です。集落からは渓谷に下りることも可能です。集落を過ぎしばらく斜面を登りつめると行き止まりに温泉宿があります。

瞑想の湯(洞窟風呂)

展望の湯

全景(2階に客室5部屋のみ)

斜面の岩の割れ目から沸く源泉のすぐ横を浴槽(洞窟風呂)にしたためこんなところに建っているのです。お陰で各部屋からの展望が大変よく、紅葉の時季はさぞすばらしいことでしょう。小さいですが、その展望を満喫しながら入浴できる展望風呂もあります。湯は温く湯量も少ないのですが、実に柔らかな泉質のため大層ありがたみを感じる温泉です。

湯量に見合った、5部屋だけの小さな旅館で、心のこもった手料理(山菜料理、熊鍋、川魚等)が期待できます。建物も数年前に新築され(外見は以前の建物とあまり変わりません)必要最小限の設備ですが、気持ちよく泊まれます。(2003/6/13)

貝掛温泉「貝掛温泉館」

一軒宿で湯量が豊富(毎分400リットル)で、お湯が温く(36.8℃)、手作り料理で味付けが薄味で料金が安いなどの条件がそろっているため、私は主としてスキー宿として二十泊以上している常連です。新館ができた当初は1泊1万5千円以上の設定で、なかなか上品で豪華な食事でした。しかしデフレの影響か現在では1万3千円前後で泊まれるようになりました。食事はやや簡素に変更されました。連泊が多いので簡素は歓迎です。

魚沼コシヒカリを自家精米したご飯や、自家製の奈良漬、山菜料理の数々等、基本的には変わっておりません。お米や奈良漬は売店で予約販売しております。

そして何と言ってもうれしいのが温い温泉です。わきまえたもので、湯船にぽっかり体を浮かべ読書している常連もいます。私は源泉のすぐ脇の大露天風呂で、源泉から流れ落ちる湯を打たせ湯かのように座り込むのが冬でも定位置です。どれだけ浸かっていてもちょっとヒンヤリするくるらい温いのですが、1時間くらい浸かって部屋に戻るとポカポカと暖まっているのです。子供も温いのは歓迎で、雪だるま作りに精をだしています。

狭い橋の先、行き止まりにある一軒宿

源泉に最も近い露天風呂

貝掛温泉は田代スキー場にあるカツサダムから流れたカツサ川が、清津峡温泉でご紹介した清津川の上流付近で合流する谷あいにあります。清津川ダム建設計画でどうなるのだろうかと心配していたのですが、中止になったそうです。

一方では群馬県の八ツ場(やんば)ダム建設のように、吾妻渓谷や川原湯温泉が水没する日が間近になりつつある所もあります。ダム建設のお陰で地域の振興にはなるでしょうが失うものも大きいです。余談ですが尾瀬もダム水没の危機があったのは有名な話です。尾瀬とまでは行かないまでも、清津川の三俣や八木沢地区がダムを中止し自然を残してよかった言える様に今後のご健闘をお祈りします。(2004/7/13)