2020/01/02 今年も茨城県の真壁

2020, New Year's VOLKSWAGEN Touring.

昭和の残り香 信沢あつし

Jan. 2 2020 Smell of oldies. A.Nobusan

2020年も1月2日は、茨城県桜川市の真壁町の村井醸造とした。初めて行ったのは2009年のこと。翌年の2010年からはワーゲン仲間と一緒に新酒を買いに行っている。もう10年以上行っていることになる。

例年好天に恵まれるが、今年も雲ひとつない鮮やかな夜明だった。

国道50号で一直線に下館、いや筑西市に向かう。途中、桐生の手前で、1958 VW Beetleと合流して2台でのツーリング。複数台で走ると、気も使うが、それはそれで、また楽しい。

下館で右に入ると、あとは真壁へと一直線である。街が近づくと旧道に入り、古い街並みの中をゆっくりと走る。

朝の集合場所は旧筑波鉄道の真壁駅跡の駐車場。廃線跡がサイクリングロードになっており、ここに車を置いてサイクリングに出ていく人たちの姿もあった。

集合とはいえ、今年も3台である。1958、1965、1974のビートルである。

新年のあいさつを済ませると、村井醸造までの超プチ・キャラバンで、古い街並みの中を行く。

到着すれば、いつものように親父さんが出迎えてくれた。「もうこれは作っていないのでしょう」などといつもの質問をしてくる。毎年同じようなワーゲンの話しをして、酒蔵見学。そして、我が家は「公明(コウメイ)」と公明の新酒と濁り酒を購入した。

いつもなら、村井醸造にワーゲンたちを預けて、町を歩くのだが、今年は事情によりビートルでの移動。古い町中を古いビートルでゆっくりと走るのは心地よい。

3.11の震災で、解体されてしまった建物もあるが、まだまだ残された古い建物は多い。写真の左手の角は古い郵便局。右手の角は空き地だが、3.11以前は古い立派な時計屋があった。

村井醸造の次に寄ったのは、黄金屋さん。「平四郎最中」を買う。以前、みんなで寄った時に、誰かが「平四郎で、フラット4ですね。」などと言ってから、僕らの間では「フラット・フォー最中」となった。水平対向4気筒のオーナーにとっては寄らざるを得ない店になったのである。

大きくてずっしりと重い最中で食べ応えがあるが、それは餡子の美味しさもあっての食べ応えと思う。私は大好きである。

1974年のビートルの後ろには、立派な瓦屋が。真壁は何度来ても良い町である。

再び真壁駅跡に戻り、トイレ休憩。そして、少し早めの昼食へと向かう。来はじめた頃は1月2日から営業している店があり、昼食には困らなかったが、それが1軒、2軒と減り、ついに街中では食べられなくなってしまった。

「さて、今年はあの焼肉屋はやっているのか」と町を後にする。

ここ3、4年はこちらの焼肉屋さん「一喜」である。やっている店が少ないので12時前に入るのがポイントだ。12時を過ぎると、次から次へとお客さんがやって来てしまう。

駐車した1965と1958ビートルの向うに見えるのは筑波山。筑波山神社の新年は大混雑だというが、山の裏側のこちらは実に平和、のどかである。

さて、トロッ子さんはいつもと同じ石焼ビビンバ。私は、今回はカルビクッパとした。

「結構辛いんですよね~。」頼んだ後で、そんなことを言うのは1974年オーナー。「早く言ってよ~」といったものの、意外と美味しくいただけた。

昼食後も筑波山をバックにして走り、向かった先は加波山神社。

私が加波山に興味を持ったのは石材運搬軌道である。今回も私たちは古い細い道で登ったが、神社の裏手にあるバイパスと呼ばれているところが軌道跡ということだ。まあ、そんな加波山神社であるから、毎年トロッコ祈願に訪れているということか!?

何度かこの辺りを歩いているが、具体的な痕跡は見つけていない。

加波山を下るビートルたち。

下ると、再び筑波山を背にして北上し岩瀬駅を目指す。何故なら駅近くに堀川酒造店があるからだ。

1月2日であるから「やっていたら買って行こう」という話をした上であるが、到着すると人の気配はなく、走って店舗を見に行けば、全てのシャッターが閉まっていた。

まあ、そんな感じで2020年の新春新酒購入ツアーは終了。ここで解散とした。

国道50号の脇であるから、旧道から国道に入るとただただ一直線に帰るのみ。昼過ぎはトロッ子さんが運転を担当してくれた。

写真は佐野インター付近。アウトレットのお陰で、ここだけは大量のクルマがいるが、いつものことで直進は、大したことはない。

佐野のアウトレット辺りを抜ければスイスイ。赤城山を目掛けて走り、榛名山を目掛けて走り帰宅したのだった。

1965 VW1200 の新春のお出掛けは往復220kmほど。丁度良い日帰り下道ツーリングだった。

帰宅後の夕飯は、前橋市の街中の「青井食堂」。早速、村井醸造で買ってきたコウメイのしぼりたて生酒をみんなで飲む。実は今年の新酒は例年よりも美味しかった。今までで一番美味しかったかもしれない。

デザートは黄金屋の平四郎最中。

2020年も例年通りの幕開けであった。

2020/01/13 信沢あつし