夏休みに子供たちとゲームアプリ作り

My children and I made a game app during summer vacation.

昭和の残り香 信沢あつし

2022/08/19 Smell of oldies. A.Nobusan

長男が小学校5、6年だから1995年頃だっただろうか。NECのPC-9821のWindows 3.1、VB2.0か4.0の時代だった。夏休みに一緒にゲームを作った。

我が家は男二人で、ふたりともクルマが好きだから「ドライブゲーム」を作り始めた。プログラムはゼロから作り始める。お父さんがペカペカとキーボードをたたいてプログラムを作っていく。

ある程度作っては動作確認で動かしてみる。画面中央に表示された画像は何かのアイコンだったかもしれないが、その画像がテンキーの入力で左右に動いた。

Windows 3.1標準のペイントブラシで、背景の道路を作る。細長い画像の真ん中あたりに灰色の道路を描く。

そう、道路の画像が上から下へとスクロールしていき、クルマを左右に動かして道路からはみ出さないようにして遊ぶゲームだ。

テンキーの「4」で左にクルマは動き、「5」が直進、「6」で右に動く。「8」はアクセルで道路のスクロールが早くなり、「2」はブレーキでスクロールが遅くなり、最後は止まる。操作は、そんな感じだ。

借りに作った道路と、クルマに見立てたアイコンで子供たちも遊び始める。

クルマが画面からはみ出してしまったり、アクセルを押しすぎるとスクロールは超速くなってしまったりする。

そんなことをしてゲラゲラと笑い、笑われてしまうとお父さんは理屈を付けながらプログラムを直していく。

少し作って、結構遊んで、そしてプログラムや画像を直していく。

画像を作るのは簡単だから、まずはお父さんが見本で上から見たクルマの絵を描いて、アイコンをそれに置き換えると随分とドライブゲームらしくなる。

最初に作った道路は短すぎてつまらないので、長男が絵を描くことに興味を持ったので、一人で描かせてみる。次男はとなりで眺めながら、注文を付け、時におかしな絵になりゲラゲラと喜んでいる。

背景の道路と自動車の絵が出来て、そこそこエラー無く動くようになって、親子三人で遊ぶ。

ただ道路をクルマが走るだけであるが、子供たちは想像力を働かせて大笑いをしながら遊ぶが、何度かやればゲーム性に乏しいからつまらなくなつてくる。

「スピードメーターを作ろう」

「ガソリンメーターを作ろう」

「ガス欠になったら止まるようにしよう」

「ガソリンスタンドを作ろう」

と色々と要望も出てくる。それを少しずつお父さんは直して、そして子供たちは、それで遊んでデバッグをしていく。

「ガソリンスタンドを作ろう」は、ちょっと厄介だった。道路の画像と連動するガソリンスタンドの枠を作り、その中で止めるとガソリンが給油されて増えていくようにした。

ところがピタリと枠に止められないと、ガソリンを給油してくれない。もう一回り走って来て、今度は慎重に止めるが、お父さんが完全にクルマが枠内に収まっていないと駄目なプログラムにしたから、何周もしているうちにガス欠になってしまう。

ところがそれが面白いゲーム性を出してくれた。

ガス欠にしてしまったら負け、ゲームオーバーである。

なんとなくドライブゲームになったところで、画像の精度を上げる。

何種類かの自動車が選べて、何種類かのコースを選べるように、子供たちが画像を作って追加していく。

ワーゲン風であったり、NASCARのストックカー風であったり、自動車の形のアイデアは次々と出てくる。

道路も高速道路風であったり、曲がりくねった山道であったり。

お父さんの夏休みはそんなに長くなく、仕事が始まれば土日にいる程度。まあ、それが子供たちに都合が良かったかもしれない。

お父さんがいないときは、子供たちだけで遊んで、アイデアを出して、金曜日の夜にお父さんが帰ってくれば、新しい画像が組み込まれてバージョンアップがされていた。


この時は、プログラミングはしていなかったが、お父さんがやっていることを見てパソコンはプログラムを作れば、自由に遊べることを知ったようだ。

長男は中学になった頃に自分のパソコンを買ったのかもしれない。同時にVisual BasicやOfficeの安いアカデミー版を買ってやったと思う。Windows95の時代になっていたらインターネットやメールも使える時代になっていた。

いつだったか長男の中学の夏休みの宿題はワーゲンのホームページだった。

確か長男が中一の時、学校からなかなか帰ってこなかった。部活かと思ったが、先生と校内のLAN工事と動作確認をしてきたらしかった。

子供は自分が面白いと思えば、どんどん自分で勉強して吸収していきます。私は、そんなきっかけを作ってあげたいと常々思っています。うちの子供たちは、こんなことでコンピュータに、プログラミングに興味を持ち、長男は20歳ぐらいのときには優秀なプログラマーになっていました。次男は大学を卒業するとソフトハウスに勤めました。

パソコンは出来合いのソフトを使うだけではありません。やりたいこと、作りたいものがあけば、自分でソフトを作れば、永く遊べる玩具になり、それは将来に役立ちます。その子供の将来だけではなく、日本の将来に役立つと思っています。

今の時代、ゼロからプログラムを作れる人はとても少ないのです。だから日本はIT分野で遅れているのです。コンピュータの基本を知って、アイデアを具体的なプログラム、システムにできる人が必要なのです。

私は20歳ぐらいからプログラミングをしてきました。ソフトウエアシステムの設計、開発をしてきました。でも私も始まりはゲーム作りでした。ゲームのプログラムを作ったら、自分の事務処理用のプログラムも作れるようになりました。

お子さんがソフト開発、プログラミングに興味を持っているようでしたら、ご相談ください。遊びながら、プログラミングを教えます。

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