2019/11/24 笠間人車軌道と稲田

"KASAMA JINSHA KIDO" KASAM human power railway. Ibaraki Prefecture, JAPAN.

Small narrow gauge railroad and local railroad

昭和の残り香 信沢あつし

Smell of oldies. A.Nobusan

11月24日は「人車の日イベント」だった。午前9時から笠間駅前から人車が運転される。その発車に間に合うように家を出たものの、あいにくの雨。そして、'69 VW1500のエンジンがぐずる。しばらくして、次男坊の'73 VW1303Sに乗り代えてスタート。

国道50号を真っ直ぐに笠間駅を目指す。雨は時折上がるが、行く先は、ずっと灰色の雲である。'73は快調、運転、乗り心地も快適。ただ、ワイパーのゴムが長い。端を三角にカットしてあるようだが、時折フロントガラスをはみ出てゴムを擦る。するとワイパーが引っかかるようになり、ポコンと弾む音がするのが気になるが。

朝の'69の不機嫌で間に合うか心配だったが、到着すると、まだ準備中で、しばらくすると開会の挨拶となった。

人車は、大正時代に実際に走っていたであろう道路に、仮設の線路と共に待機していた。

この日の人車軌道の始点。右手の酒屋が良い雰囲気で、ちょっと往時の姿を想像させてくれる。

ただ、雨は止むことはなく、時に本格的になった。それを忘れて人車を追いかけた。途中の休憩時間で、一段と雨が強くなり、ちょっと写真が撮れる感じてはなく、退散させてもらう。

まだ午前中であるから、ちょっと稲田駅前に寄ってみる。雨だから、歩けないだろうと思っていたが、着くと小雨になり、少々歩くと、早速怪しい路地が。この駐車場の向うは公園なのだが、生垣の切れたところから正面は小道になっている。

もしかすると石材軌道の跡が公園脇の小道になっているのかもしれない。

寄ってみたかったのは、ここ。ちょっと古い石材工場(?)の跡地てある。建物の多くはほぼそのまま残っている。この中に石材軌道の痕跡はないかと眺めて見たが、どうもなさそうだ。

ここは、もう一本の石材軌道が入っていた石材屋。この敷地を斜めに横切っていたのではないかと思われるが、こちらも門から見る分には痕跡はない。雨が降っていなければ、もっと行動範囲も広がるのだが。

石材屋の跡地を眺めていると、ちょうと水戸線の電車がやって来て、水戸方向へ発車していった。背景の山の紅葉が少しかすみ、その感じが良かった。

「石の百年館」には以前は石を積んだトロッコが飾ってあったが、現在は駅舎のすぐ脇に小ぎれいな建物になっている。中を覗いて、石材軌道について聞いてみたが、残念なことに館内が狭くなり、トロッコ系は普段は飾っていないとのこと。時に、企画展で展示されるとのお話もされていた。

稲田の駅前通りは良い風情を感じたが、殆どの店がやっていない感じである。石の百年館に近所の酒造の案内があり、線路の向うに酒蔵らしき建物があったので、そちらに向かっていくと、また小道を発見。線路沿いの稲田石材商工業協同組合へと続くような小道に、ここもトロッコの線路跡ではないかと写真を撮った。

線路の向うが酒造であり踏切に行く。まず目を惹いたのは本線から左にカーブして分岐する線路である。行く先は草に埋もれているのが良い感じであるが、今は脱線ポイントかも知れない。この本線の両脇に貨物の側線が存在していたようだ。写真右手には石積みの貨物ホームが向こうの方まで延びている。もう一本の石材軌道は、このホームの向う端に存在したようだ。

天候が悪く、疲れもあり、今回の軌道跡探しは、ここまで。具体的な位置関係も理解できたので、また訪れてみたい。