2020/01/02 真壁の村井醸造

SakaGrapher Nobusan

"Murai-jozo" Japanese sake brewery, NIHON-SYU, OSAKE, Rice wine

昭和の残り香 信沢あつし

Smell of oldies. A.Nobusan

1958 and 1974 VW Beetle from 1965 Beetle

調べてみたら、初めて行ったのは2009年の1月だった。そんに茨城県桜川市の真壁町に、2020年もワーゲンで行った。2011年の3.11の被災依頼、酒蔵の修復が進んでいるが、まだ修復は続いていた。

いつものように一緒に行ったワーゲンたちを並べさせていただく。今回は、1958年、1965年、1974年のビートルたち。

今回は、まず新酒の購入である。例年通り「公明(こうめい)」の新酒の「しぼりたて」と「にごり酒」。そして、今年は普通の「公明」の三本とした。大概新酒の生酒というのは、美味しいものであるから、やはり地元で飲まれている15度の公明を味合わなくてはいけない。

1965, 1958 and 1974 VW Beetles.

初めて来た時は、年季の入った古い蔵が続くのが魅力的だった。まるで時代劇の世界に入ったかのようだった。

しかし、今は違う。3.11の被災で殆どが真新しい外観になってしまっている。少し寂しいが、安全第一である。そして、この蔵も何年か、何十年かを経たら味わい深いものに変わって行くのだろうとも思う。

ついつい毎回撮ってしまう煙突だが、こちらも修復された。ただ修復するにも文化庁の許可が必要とのことで、煙突の周囲に鉄板を巻く方式で許可が出たとのこと。3.11で先端の一部が崩れ落ちていたから、10年近く経って、やっと一安心ということだ。

写真中央の蔵は、初めて見た時から妻面の中央がたわんで膨らみ、H鋼での補強がされていたが、改めての改修中だった。

このたわみだが、角の柱に傾きはなく、扉部分で傾いており不思議に思っていたのであるが、今回妻面を横から透かして見て、たわんで膨らんでいたことが良く分かった。さて、どの辺りまで修復されるのであろうか。

村井醸造の奥まで写真を撮りながら行く。その先には、すぐ近くに筑波山の裏側(!?)が見える。筑波山神社の初詣は大層賑やからしいが、こちらは落ち着いた雰囲気で、のどかなところが良い。

戻りながらも煙突の写真を撮っていると、向こうを飛行機が横切った。すぐにカメラで追いかけて撮ったのがこれ。

セスナ機とグライダーである。良く見るとセスナ機からワイヤーが延びグライダを牽いているのが分かる。早朝に群馬から向かう途中で毎年熱気球に出会うが、もしかすると毎年グライダーを飛ばしているのかも知れない。

日本酒の臭いが漂う蔵の中。天井はなく、曲がりくねった梁が何本も見える。この曲がりくねった材木に歴史を感じざるを得ない。ただ屋根は吹き替えられ、所々に補強の柱などが追加されているのが分かる。

美しくなった板張りの蔵。以前は色がブチになった瓦が年季を感じさせていたが、今は色が揃った真新しい瓦が整然と並び、また違った美しさを見せている。

新調された樋が、古い樋に合流する。全てが新しくないところが良い。私は、こんなところが歴史を感じさせてくれて良いと思う。

古く、永く続く建物は、その時代、時代が年輪のように刻まれていくのが良い。

一通り酒造を眺めると、佐原の街へ出た。村井醸造の面した旧街道には、今も多くの古い建物が残る、保存されている。

村井醸造で酒蔵を味わい、日本酒を味わうだけではなく、町全体を味わうことができる。

きっと、また来年も真壁町へと行くのであろう。