2019/11/25表町二丁目、一丁目の夕日
昭和の残り香 信沢あつし
Smell of oldies. A.Nobusan
昭和の残り香 信沢あつし
Smell of oldies. A.Nobusan
前橋駅前通りの一本西の通りを北へと向かう。道路は完全に日が当たらなくなり、向こうの国道50号沿いのスバルなどのビルが夕日を浴びていた。
駐車場の向うの駅前通りのケヤキが夕日を浴びる。その昔、台貫があった角が、ここであっただろうか。当時は、それだけ駅前には運送のトラックがあり、走っていたということだ。小さい子供にとっては、とても興味深い設備だった。ただ、それは昭和40年ぐらい、昭和30年代までの事。しばらく使われなくなり残っていたが、昭和45年頃には解体されたのではなかろうか。
表町二丁目の公民館が「ここだったか」と久しぶりに認識する。子供たちが小学生時代は、毎年前橋祭りで、子供たちの山車を連れてきて、私たち、父親たちにはビールや酒が振舞われた。ここは、いつも午前中で、それから昼も、午後も、夕方も、夜も、良く飲んだものだ。
公民館から振り返ると、駐車場の先のマンションが、良い感じで夕日を浴びていた。
晩秋というより、寒波の日のような雲は、日が暮れてきて、一段と美しく、凄みを増していた。
駅前通りの一本裏であるから、ここにも居酒屋や店が並んでいたと思うが、旅館安太夫の辺りに、そんな駅が賑やかだった時代の面影が残っていると思う。
表町二丁目から、一丁目に向かう。太陽はもう沈もうとしており、下の方の空を朱色に染める。
一丁目に入ると空は一段と紅くなり、雲を一段と黒くした。
角の所から、北の空に飛行機雲が見えた。こんなところで、久しぶりに見た飛行機雲に感じた。
少し行くと、夕日の方からもう一つの飛行機雲がやって来た。飛行機雲の先端は、太陽の光を浴びて白く輝いていた。
二丁目と比べると一丁目は、昔から住宅地である。低い木造が多い。そんな屋根の向うに日が暮れていく。
空気は冷たくなってきていたが、それは玄関を入るまで、あまり感じなかった。