2019年の線路ネタ その1

Real Railroad 2019 Part 1

Small narrow gauge railroad and local railroad

昭和の残り香 信沢あつし

Dec. 25th 2019. Smell of oldies. A.Nobusan

2019年の新春も1月2日の茨城県の真壁町から始まりました。

ワーゲン仲間と旧真壁駅の駐車場に集合。廃線となった筑波鉄道の駅跡である。少し早く着いたので、辺りを一回り散策し、ついつい、いつもの石材屋さんだったであろう店に残る線路を覗く。

ワーゲン仲間が揃ったところで村井醸造までプチ・ツーリング。酒造を見学したあと散策であるが、やはり石田金物店の508mmゲージの線路を見ていく。確か今年の正月は家族で出かけているとかのお話で、門の先の線路は見学しなかった。

まあ「一年の始まりは、真壁のトロッコにあり」である。

さて、短い正月休みだから、1月4日にはこちらに行ってみた。烏山の石井製材である。面白いことにここの線路には、製材機のレールも使われていた。不要になった製材機のレールを集めたのであろうが、近隣に製材所がいくつかあったということかもしれない。

3月16日には、深谷の日本煉瓦の跡へ。ホフマン輪窯6号窯が保存のために工事に入るという記事を見て、その前にと思ったのであるが、もう工事が始まっており入れなかった。窯内には当時のレールが一部残っているのではないかと期待したのであるが残念。

ただ煉瓦資料館に残るレールや現役時代の写真、最盛期を再現したジオラマを見学。面白かったのは工場内にトロッコ用の軌道が延び、周囲には粘土を運び込むための馬車軌道もあったという点だ。展示レールには期待をしていたのであるが、意外と立派なものしか保存されていなかった。専用鉄道の細いレールの方は興味深かった。

ちょっと物足りず、昔の専用鉄道跡を歩き、戻りだしたところで、レールを発見した。それもとても細い。細い細い古いレールだった。線路の土手の土留の柱の様だった。

そして翌日の3月17日は赤城山を少し登った。そう東急デハ3499の保存活動の公開日だった。しかし、趣味で電車を修復して保存しようというのであるから、恐れ入る。

デハ3499には数人が見学に来ており、別の保存活動も見に行くというので同行した。すると、そこでどこかで見たようなナローの車両が目に入ってきた。以前、足尾に放置するように置かれていた610mmの遊園地の客車の台枠部分だった。なかなか貴重なものを見せていただいた。

さて、春はワーゲン仲間で京都に集まる。行く途中、4月6日の早朝に各務原の旧丸和製材に立ち寄り、声を掛けて少々お話を聞いて線路の写真を撮らせていただく。

'65ビートルの向うに見えるのは各務山で、遠くからも良く見える、各務原を象徴する山である。

各務原から国道21号、国道8号と行き、滋賀で近江大橋を渡り、石山寺の先の長石鉱山「井上鉱山」を訪ねる。事務所へ寄ったが不在で遠くから線路らしいものの写真を撮る。この窪地は原石置き場で以前はトロッコで原石を運んできて落としていた名残の様である。

鉱山が不発で、大津の老舗「中川誠盛堂茶舗」に行く。今のご主人は私と同年ということもあり、店舗裏に細長く残る線路を取材させてくれた。レールはコンクリートで埋められていたが、コンクリートが剥げてしまった部分もあり、多くが頭を出していた。

レールは15mmと大変細く、ゲージは430mmと大変狭く、明治後期に敷設したという大変貴重な線路であった。

4月7日は朝からワーゲンの集まりで京丹波町の旧質美小学校へ行き、宿泊は大津。旧国道1号で大津に入ると、すぐに京阪の踏切である。「ちょうど電車が来ないかな」と言っていると踏切が鳴りだした。

翌日の4月8日は井上鉱山にリベンジである。事務所に行くとすぐに取材を許可してくれ、土曜日は会議で遅い昼休みで昼食に出ていたとのことだった。坑口部分に線路が残っているのは知っていたが、そこから先のホッパーまでの線路が、土に埋もれつつも残されていた。

写真奥が井上鉱山の六号坑である。手前に延びた線路がホッパーまで続く。中央のポイントの先の線路は撤去されてしまったようだ。

閉山しているが、この坑口からは鉱泉がでており、その水が今やミネラルウォーターとして売られている。そのために閉塞を免れ、線路も残された。

こちらは十号坑の坑内。六号坑から出たミネラルウォーターを使ったラム酒工場が隣接しており、そのラム酒の倉庫として最近整備された坑道である。ラム酒の出し入れ用にトロッコが作られ、そのために線路も整備されている。

そんなわけで、2019年も色々と線路を楽しんだ。つづきはその2へ。