台風19号一過、厩橋城(前橋城)を襲った暴れ川を

The day after Typhoon No. 19 in Maebashi, Gunma Prefecture

2019/10/13

昭和の残り香 信沢あつし

Smell of oldies. A.Nobusan

前橋市のホームページに"華々しい城の歴史とは裏腹に、前橋城や周辺一帯は暴れ川として知られる利根川によって、度重なる氾濫と洪水の浸食を受け続けていました。17世紀後半になると利根川の洪水により城の崩壊が進み、18世紀初頭には、本丸の移転を余儀なくされてしまいます。 "とある。城の跡地は現在の群馬県庁である。そんな暴れ川流れる県庁裏に足を進めた。

昭和30年頃に作られたという路面電車のレールを使用して作られた聖牛の背後で、柳原放水路が利根川と合流するが、既に放流をやめているのか、放水路には泥の水が穏やかに漂う。木が垂れ込む泥の川は、まるで南米のアマゾン川の様でもある。

この先から、群馬県庁裏、虎姫観音の脇から長壁神社の裏へと通じる道に入る。階段を下りて行くと行く手にはジャングルのように草木が生い茂る。

ある程度行くと、歩くのも大変になったが、手前に一段下の遊歩道への階段がある。利根川の水面に近くなるが一旦おりて、次の階段を上ることとした。しかし、上への階段へ行くと通行止めか歩けないようになっている。では、その先へと足を速めたが、結局以前の県庁駐車場へ降りる道となってしまった。

そして、目の前には多くの流木と草木が高く打ち上げられていた。まあ、道路へは出られると思ったが、細い流木が二本横たわる。動かせるのかと思ったが、右端を持ち上げると意外なほどに簡単に下ろすことができ、もう一本も簡単であった。それを跨ぎ、ガードレールを跨ぎ、道路へと出るとホッとした。

しかし、そこには1mもある岩、土の塊か!? が何個も崩れ落ちていた。旧NHKの裏手、ロイヤルホテルの裏手である。ここまでの遊歩道は護岸工事をされ、暴れ川の影響を最小限に抑えていたようであるが、それが終わったとたんに暴れ川は川岸の崖を洗ったようだ。

ロイヤルホテルは50m程先、群馬大橋の橋台までは100mほどあるだろうか。しかし、護岸工事のために、暴れ川はその先で岸を洗い出したということに思える。県庁駐車場跡地は大量の濁流が流れたようであり、群馬大橋の橋台を洗ってしまうのではないだろうか。

今回の台風19号の被災状況を見ると、橋の橋台の周囲を濁流が洗い、橋の手前で道路が陥没する光景がいくつか見られた。このような台風が今後増えるのであれば、ロイヤルホテル、群馬大橋の橋台辺りの護岸工事が急務であろう。

ただ、それにより、次はどこかに暴れ川の影響は移るのかも知れないが。